子どもに伝える「声かけ」の危険性
子どもが一人きりになるときが危ない!
権威に弱いのは大人だけではなく、子どももたとえば、「教育委員会の者だが」「保健所の者だが」といった言葉に、騙されやすいものです。そうして、体にさわられるなどの被害が起きています。保護者は、そうした様々なパターンを想定して、子どもに「見知らぬ人が何を言おうと、ついて行ってはいけない。体にさわらせてはいけない」と、具体的に伝えなくてはなりません。
さらに怖いのは、「声かけ」をすることなく、いきなり子どもをつかまえてしまうような場合です。一人きりになった子どもを、ひと気のない場所で、突然、後ろから口をふさいで、ものかげに連れ去るような事件も発生しました。こうした被害は防ぎようがないように思えてしまうものですが、友だちと別れてから、あるいは一人で歩いているときなど、一人きりになった時間に狙われている点に注目です。
一人きりになる時間と場所を把握しよう
学校や学童、図書館や公園、友だちの家などから帰るとき、あるいはそうした場所に行くときに、子どもが一人きりになる時間や場所がある場合は、警戒する必要があります。特に、周辺にひと気がなかったり、人目に触れない死角になる場所があったりすると、危険度がアップします。必ず親子で実際に歩いてみて、チェックしておきましょう。そうした場所を知らずに行動することは、子どもの安全にとって望ましくありません。また、親などの保護者も知っていなくてはならないことです。子どもはできる限り一人きりになる時間を短くすること、そうした場所は避けて、人目のある場所を通るように心がけることが大切です。
不審者を近づけない行動
ミーアキャットのように周囲をよく見て
危険を察知したらそれを避ける行動がとれるように、自分のそのときの状態を知ることが重要です。まずは、子どもが自分の目と耳からの情報をしっかり得ることです。そのためには、姿勢をよくして、前方をよく見て、曲がり角では左右をよく見て、ときおり後ろを振り返ることです。
自分に近づく怪しい人や、車やバイク、自転車などに早く気づけば、対応策も早くとれます。何も気づかずにいると、危険に巻き込まれてしまうかもしれません。そこで、たとえば、プレーリードッグやミーアキャットのような小動物の警戒の仕方を参考にしましょう。思い切り背を伸ばして遠くまで見通し、匂いを嗅ぎ、天敵の襲来に備えます。天敵と気づいたら、一目散に巣穴に逃げ帰ります。子どもも小動物と同じように警戒心持って行動することが、安全でいられる秘訣なのです。