完成まで632年! ゴシックの雄 ケルン大聖堂
双塔が特徴的なケルン大聖堂の西ファサード(西正面)。ドイツ語名はドム・ザンクト・ペーター・ウント・マリアで、「聖パウロとマリア大聖堂」 ©牧哲雄
また、2004年にはケルン市の高層ビル建設計画が持ち上がり、景観に影響を与えるということで危機遺産リストに掲載されて話題になった。今回はそんなドイツの世界遺産「ケルン大聖堂」を紹介しよう。
子供の頃の興奮をふたたび! 偉大なるケルン大聖堂
ケルン大聖堂とヴィルヘルム2世像。ライトアップされてゴシックの刺々しさが際立っている
見上げる。
驚く。
でかい!
高い!
重い!
こちらも西ファサード。山のように巨大だが彫り込まれた彫刻は精妙 ©牧哲雄
とんでもない。枝のように突き出した一本一本の尖塔にまで精緻な装飾を施し、金属を使用せずに石を積み上げて「天」を目指したゴシック建築の威容は、鉄やコンクリートで造られたビルやタワーよりもはるかに巨大で神秘的に映る。
周囲を睥睨するケルン大聖堂の威容。ラテン十字形(下が長い十字架型)の平面プランがよくわかる。カトリックの大聖堂はこのように十字架の頭を東に向けていることが多い ©dronepicr
子供の頃、底知れぬ世界の深遠さにしばしば感じた驚き、興奮。ケルン大聖堂を見上げれば、あの頃のワクワク感が蘇る。