キリマンジャロ マラング・ルート
富士山頂とほぼ同じ標高にあるホロンボ・ハット。宿泊するハットと食事をするハットがわかれている ©牧哲雄
キボ・ハットとマウェンジ峰。深夜、ここからウフル・ピークへアタックする ©牧哲雄
登山の起点はモシかアルーシャという街になる。モシはキリマンジャロの麓なので、登山口であるマラング・ゲートまで車で40分前後。アルーシャからだと車で2時間前後かかるが、アルーシャはンゴロンゴロやセレンゲティへのサファリの起点にもなって便利だ。マラング・ルートの基本的なスケジュールは以下。
■マラング・ルート
- 1日目:マラング・ゲート(約1,600m)→マンダラ・ハット(約2,700m)
- 2日目:マンダラ・ハット→ホロンボ・ハット(約3,700m)
- 3日目:ホロンボ・ハット→キボ・ハット(約4,800m)
- 4日目:キボ・ハット→頂上ウフル・ピーク(5,895m)→ホロンボ・ハット
- 5日目:ホロンボ・ハット→マラング・ゲート
キリマンジャロ登山は基本的に単独登頂が認められておらず、ガイドをつけることが義務づけられている。通常は山を案内するガイドに加え、荷物を運ぶポーターと調理を行うコックを雇うことになる。モシやアルーシャには数多くの旅行代理店があり、現地でツアーに参加するのも容易だ。
キリマンジャロと豹と人
ウフル・ピークへの道中、ギルマンズ・ポイント(約5,700m)から見たノーザン・アイス・フィールド ©牧哲雄
ウフル・ピークから見たキボ峰の火口とマウェンジ峰 ©牧哲雄
でも、考えてみれば人間も変わらない。なぜ人は山になんて登ろうとするのだろう? なぜ人は美しいものを残そうとするのだろう? それにいったいどんな意味があるのだろう?
「前方の視界いっぱいに、さながら全世界のように広く、大きく、高々と、信じがたいほど真白に陽光に輝いて、キリマンジャロの四角い頂上がそびえていた。その瞬間、自分の向かいつつあるのはあそこなのだ、と彼は覚った」(ヘミングウェイ著、高見浩訳『勝者に報酬はない・キリマンジャロの雪』新潮文庫、「キリマンジャロの雪」より)