丸山ワクチンの由来
丸山ワクチンは予防接種のワクチンのように皮下に注射します
丸山ワクチンは、日本医科大学元学長で名誉教授である故丸山千里博士が開発したワクチン。その名前をとって、「丸山ワクチン」と呼ばれていますが、正確には「SSM(Specific Substance MARUYAMA)」と言います。皮膚科医だった丸山博士は、皮膚結核の治療のために「結核ワクチン」の研究をしている中で、結核やハンセン病の療養所には癌患者がほとんどいないことから、結核菌やらい菌などの成分にガンを抑える可能性を考えて、ワクチンが開発されました。つまり、「丸山ワクチン」には結核の成分が入っているわけです。
がん免疫療法……丸山ワクチンの効果とは
癌は、本来の機能を失った異常な細胞がどんどん増えてしまい、正常な働きをしなくなってしまう病気。異常な細胞を減らしたり、除いていく必要があります。癌の治療法には、以下のような方法があります。
- 癌を除く外科手術
- 癌を殺す抗がん剤による化学療法や放射線をあてる放射線療法
- 癌を自分の免疫で攻撃させる免疫療法
コラーゲンという体の中のタンパク質を増やすことによって、コラーゲンが癌を周りを囲って、癌が大きくならないようにする効果や、癌細胞が増えるのに必要な酵素を抑えることで癌が大きくならないようにしてくれる効果が報告されています。
ただし、癌に有効な治療に替わるものではなく、あくまで免疫を高める治療であるために、癌の種類に関係なく使用されることになりますが、癌に対する治療と併用しても問題はありません。
丸山ワクチンの副作用
結核菌の成分で、結核菌そのものではありませんので、大きな副作用は見られません。丸山ワクチンの一種である、悪性腫瘍に対する放射線療法の際に生じる白血球減少症に対する治療薬であるZ-100原液(アンサー)では、注射部位に腫れが報告されています。丸山ワクチンの投与方法と費用
丸山ワクチンは1964年から使用されていますが、現在でも、治療はデータを正確に把握するための「治験」という形で行われています。この治験は製薬会社が行っている治験と違い、「有償治験」と言って、費用が発生してします。具体的な投与法ですが、1日おきに皮下に注射します。40日分(20アンプル)を1連の治療期間になります。9000円(税抜き)で、これに処置料、注射器などの値段が自費でかかってきます。
丸山ワクチンの受け方
丸山ワクチンを受ける場合、治験についての手続きが必要です。下記のように、患者本人または親族、家族が、日本医大付属病院ワクチン療法研究施設に治験を受ける承諾書と治験登録書を提出し、手続きを行う必要があります。手続きに必要な書類作成は病状を知っている主治医が行うことが多いです。1. 治験を医師に依頼する
丸山ワクチンは週3回注射の通院が必要ですので、かかりつけの医師(治験担当医師になります)に丸山ワクチンによる「治験」を引き受けていただけるよう、相談してみてください。幸い、診療施設の指定はありません。
2. 初回来院時申し込手続きに必要な書類を用意する
治験担当医師が決まりましたら、必要な書類への記入を治験担当医師が記載するので、お願いする形になります。書類はHPからダウンロード可能です。同意書は本人または身内が記入します。
3. 日本医科大学付属病院ワクチン療法研究施設へ行く
必要書類をもって、初回は、ご家族か身内の方にワクチン療法研究施設へ来院します。患者本院でなくてもよいとのことです。本人でない場合は委任状が必要です。
治験薬においてインフォームド・コンセントと言って、丸山ワクチンについての説明を受けた上で、承諾する必要があるために、親族、家族、本人が日本医大に行くことになります。
〒113-8706
東京都文京区千駄木1-1-5
日本医科大学付属病院ワクチン療法研究施設
電話: 03-5814-6996(直通) 03-3822-2131(代表)
参考:丸山ワクチン・オフィシャルサイト 治療を受けるには
丸山ワクチンの実績報告
丸山ワクチンの最も大きい効果は延命効果です。胃がんが手術で取りきれなかった場合、化学療法に丸山ワクチンを追加することで、1000人あたり152人の割合で延命効果があると報告されています。癌の場合、再発や、違った場所への転移のリスクも考えなければなりません。命に関わる病気なので、状態に合わせて有効な治療をいくつか組み合わせて行っていく必要があるのです。丸山ワクチンもその1つの手段と言えます。
(参考)丸山ワクチン・オフィシャルサイト
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