和食に欠かせないごま……国内自給率はわずか1%未満
古くから健康食・美容食として人気の高いごま
そんなごまは、米にも匹敵する、いかにも日本的なイメージがありますが、その原産地はアフリカのサバンナあるいはインドとも言われ、中国を経て日本に仏教とともに渡来しました。
現在の日本では、ごまの自給率は低く、なんと1%も満たないのです。つまり、日本で使用されるごまは、99.9%が輸入品。平成19年度で輸入量は約17万トン(横浜税関発表)で、主な輸出国は、ナイジェリア、パラグアイ、スーダン、中国、インド、ミャンマーなどです。
日本でも、かつては農家が田畑のかたすみでごまを育てていたそうです。ごまという植物はやせた土地でも育ち、手のかからないとよく言われるのですが、農家の経営という視点で見ると、魅力的なものではないようです。
たくさんの莢がつき、中にはごまの種子ができています。
また収量が少ないため、たいへん採算性の低い作物であるため、ごまを作っていた農家も収益性の高い作物に転換していったという背景があるのです。
現在は、国内生産量は約200トン程度で、主な産地としては鹿児島県の喜界島が知られています。
ごまの国際価格が急騰!
平成13年以降、年々ごまの輸入量は増加していましたが、日本植物油協会によるとごまの国際価格が上昇し続けているそうです。日本は世界でも有数の輸入国でした。ところが洪水等により生産量が減りそれ以前は輸出国だった中国が輸入国に転じたため、日本を追い抜く勢いで輸入しているそうです。ごまの安定供給は難しく、ますます値上がりしていくことが予想されています。
練り白ごま(山田製油)
ごまは硬い殻に覆われているため、莢からだしたままの生では硬く、またあの芳ばしい独特の香りもありません。洗って乾燥させた「洗いごま」を、「炒りごま」にしてから、「すりごま」や「切りごま」にして使います。また摺って練りごまに、搾ってごま油などに加工して使われているわけでが、どのように加工されるのでしょうか?