ゴルフGTIよりも「ホットハッチ」の雰囲気が濃い
足まわりは、15mmローダウンされたGTI専用のスポーツシャシーを採用。さらに、ポロGTI初採用となる電子制御ディファレンシャル「XDS」を搭載。ただし、ゴルフGTIには設定のある、減衰力や電動パワステの特性を瞬時に最適に制御を行なうDCC(アダプティブシャシーコントロール)は用意されておらず、減衰力非調整式のシンプルな専用スポーツサスペンションが与えられている
これをゴルフGTIと比べると、やはり兄貴もウワテ。フロントがマクファーソンストラットであるのは同じながら、リアはゴルフGTIがマルチリンク(カタログには「4リンク」と記載)であるのに対し、ポロGTIはビーム式(カタログには「トレーリングアーム」と記載)となっています。これによる乗り味の違いもポロGTIとゴルフGTIの差であり、ゴルフGTIのほうがさらに快適性で上回り、懐の深い豊かなサスペンションストロークを持ちつつ、姿勢変化も小さく抑えられています。これに対しポロGTIは、やや腰高な印象のある素性を巧みに活かし、回頭性の高さに結びつけている印象です。一方で、ボディの小ささと軽さはポロGTIの大きなアドバンテージ。手の内で操ることのできる感覚は、ポロGTIのほうが上。いかにも「ホットハッチ」という雰囲気は、ポロGTIのほうが上回るという印象です。これは好みの分かれるところでしょう。
ガイドとしては約70万円というけっして小さくない価格差を考えても、本当はゴルフGTIがいいという人は、がんばってゴルフGTIを狙うべきかと思います。価格を理由にポロGTIでガマンするというのはもったいない。そうではなく、ポロGTIのこのサイズ感や、小気味よい乗り味が好みという人に、ポロGTIを積極的に選んで欲しいところです。世界的に好調な販売を続けるフォルクスワーゲンの中でも、ポロGTIの人気はとても高く、もともと生産台数が少ないにもかかわらず予約も活況で、需要に対し供給が遅れ気味の状態とのこと。ポロGTIを早く愛車にしたい人は、急いだがよさそうです。