デュ・バリー夫人の大好物
さて、シャンパーニュ・ドラモットで喉を潤したあとはルイ15世とデュ・バリー夫人が好きだったと語り継がれるカリフラワーとオリーブの冷たいポタージュからのスタート。ポタージュの底にオリーブのジャムが隠されていたり、しっかりとひと手間かけられたアミューズだ。残暑の残る早い時間のディナーにはさっぱりとしたポタージュは心地良くクールダウンするに相応しい。
何世紀も語り継がれる料理がここにある。
前菜は個人的好物のフロマージュ・ド・テット(豚の耳や内臓のゼリー寄せ)。ほのかな酸味にコリコリとした食感の内臓料理にはシャンパーニュや白ワインが欠かせない。このところ多くのビストロでこのメニューを見ることが多いのだが、どこもやや塩が緩い。その意味でまだこれだ!というフロマージュ・ド・テットにはまだ出会えていないのが現実だ。豚の内臓料理の奥は実に深い。
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フロマージュ・ド・テット
小笠原産レンコ鯛のカルパッチョは茄子のマリネが敷かれる。厚めの白身に馴染んだヴィネガーと茄子は正確に調和し、塩加減も申し分ない。派手さや目新しさは取り立ててないが、基本に忠実な仕込み振りが伺える。
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鮮度もヴィネグレットの加減も申し分なし