長い目で見ればブラックという選択肢も魅力的
ショートトレンチ1万8900円/ジャーナル スタンダード レリューム(ジャーナル スタンダード レリューム 表参道店 TEL:03-6438-0401) Photo:石井幸久
トレンチコートの定番カラーはキャメルです。したがって基本的には合わせるパンツを選びませんが、インナー選びが少し難しかったりします。冬のアウターとしては明るめの色なので、オフに着こなすのはそれなりのテクニックが必要なのです。その点、ブラックならキャメルよりも気軽に着まわすことができます。また、キャメルよりもブラックの方が着る人を選びません。さらにブラックなら、多少緩んできた体型でも引き締まって見えます。ということで、ブラックという選択も捨てがたいものです。キャメルとブラック両方を揃えても良いかもしれません。
ストームフラップやエポレットはトレンチコートを象徴するディテール。
最後に、改めてトレンチコートの特徴的な仕様に触れたいと思います。そもそもトレンチコートは、第一次大戦の末期に英国陸軍の塹壕戦用に開発されたもので、トレンチは“塹壕”という意味です。そのため、多くの機能的ディテールが盛り込まれています。もっとも特徴的なのは、雨風や土砂などの侵入を防ぐダブルブレスト。チンストラップ(チンウォーマー)や袖口のストラップもその効果を高め、防寒性を向上しててくれます。右肩のストームフラップは、フロントのボタンをすべて留めた上から重ねることで、上からの雨垂れを防ぐもの。銃を肩で固定する際の補強布にもなるため、ガンパッチとも呼ばれます。
バックスタイルからもトレンチをわかる凝った仕様が魅力的です。
また、荷物を肩に掛ける際に固定することができるエポレットもポイント。背中のケープ状の当て布はもともと内側が通気するようになっていて、空気は通しても上から落ちる雨水は侵入させないという工夫から生まれたもののようです。素材としてはギャバジンという防水加工のコットン生地が正統で、これもトレンチコートならではの雰囲気を醸し出します。
ほかにも機能的な仕様はあります。こんなにもたくさんのギミックが凝縮したトレンチコートは、持っていて損のないアウター。“キング・オブ・コート”という異名さえあるのです。いずれのディテールも現在は装飾的意味合いが強くなっていますが、頼れるアウターであることには変わりありません。バリエーションが出揃っている今だからこそ、納得のいくトレンチコートを探してみてください。
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