腰痛/腰痛の予防・解消法・体操・ストレッチ

「座り猫背」予防は背伸びでストレッチ

立ち姿勢では気にならない猫背でも、椅子に座ると目立ってしまう「座り猫背」の人が多いです。猫背姿勢をクセづけないようにするための、気持ち良いストレッチをご紹介しましょう。

檜垣 暁子

執筆者:檜垣 暁子

カイロプラクティック理学士 / 肩こり・腰痛ガイド

肩こりや腰痛で悩む人の中には、ご自身の姿勢が気になっている人も多いようです。特に猫背姿勢。この猫背姿勢がクセにならないように、簡単にできる背伸びストレッチをご紹介しましょう。

私、猫背姿勢になっている?

立ち姿勢がキレイだと座り猫背に気が付かないかもしれません

立ち姿勢がキレイだと座り猫背に気が付かないかもしれません

猫背姿勢は、見た目上、元気のない印象を与えやすく、他人から見てもわかりやすいため、指摘されることも多いようです。そうなると、「私の姿勢、そんなにヒドイ?」と、余計に気になりますよね。猫背姿勢にしても、姿勢の変化の進み具合とそれが癖づいてしまう様子は、やはり、日々の過ごし方による積み重ねが関わっています。

立ち上がった時や、歩いている時は、比較的スッとしたキレイな姿勢に見え、猫背姿勢の印象はないものの、椅子に座ると猫背姿勢になってしまう人がいます。いつも自分の立ち姿を鏡で、お出かけ前の服装チェックなどをしている人は、自分が「座り猫背」だと気づかないことが多いようです。

猫背姿勢が毎日のように続くと、姿勢を支える筋肉の衰えや、過剰な緊張を招くことがあります。さらに、お腹の筋肉の働きが低下したり、胃の辺りの圧迫感が増したりするケースもあり、そうなると、胃腸の調子がいまひとつ…と感じるようになるかもしれません。

「座り猫背」姿勢になるのはナゼ?

椅子に座ると骨盤の角度が変化し姿勢に影響を与えます

椅子に座ると骨盤の角度が変化し姿勢に影響を与えます

座ると猫背姿勢になりやすい理由として、いくつか考えられることがあります。ひとつは、立った状態と座った状態での骨盤の角度に変化がでる、というところです。

ヒトには本来、関節や筋肉への負担が少ないような、背骨の自然なカーブと骨盤の傾斜が備わっています。それは、立ち姿勢のときにみられます。しかし、座った状態になると、骨盤の角度が変化して、それに伴い腰の部分の背骨のカーブにも変化が生じます。 これは、座り姿勢を維持しようとする筋肉の働きも影響していて、骨盤の角度が変化することで、腰を支える筋肉も十分な力を発揮し続けてはいられなくなり、徐々に腰のカーブが変化してしまい、少し丸くなった印象の座り姿勢になっていくと考えられます。


「座り猫背」姿勢から「常に猫背」姿勢へ

座るたびに猫背姿勢になっていはいませんか?

座るたびに猫背姿勢になっていはいませんか?

この状態が、連日繰り返されていくと、座り姿勢を保つこと自体に無理が生じやすくなり、背スジを伸ばす働きをするパワーが減っていくように感じると思います。すると、腰や背中の筋肉がこってしまい、肩や頭部の位置も変化し、座るたびにいわゆる「猫背姿勢」の状態になってしまいます。

こうした状態は、こまめに席を立ち休息をとったり、ストレッチを日常に取り入れたりすることで、進行を抑え予防する方法もありますが、進行してしまうと、座り猫背だけにとどまらず、立ち歩いた状態でも、猫背姿勢が顕著に現れる場合があります。そうなると、体のだるさや肩こり、腰痛などの不調を感じやすくなる可能性もあるため、早めに姿勢改善のためのケアを取り入れたほうが良いと思います。

猫背姿勢リセット「のびのびストレッチ」

猫背姿勢がクセにならないようにするために、また、すでに猫背姿勢が気になっている人は少しでも緩和できるように、できれば1日に数回、このストレッチを実行できると良いと思います。「私は猫背ではない」と思っている人でも、日々の姿勢維持で気づかない間に蓄積している疲労の予防にも役立ちますので、1日の終わりやお風呂上りなどに、挑戦していただければと思います。

まず、準備として、両腕をバンザイするように挙げて、腕の上がりにくさや硬さ、背中の張りをセルフチェックします。これは、知らない間に硬くなってしまった筋肉が突然ストレッチされると、痛めてしまうことがあるため、事前にご自身で硬そうな部位を確認するためです。もし、伸びの悪い硬い部分があれば、ストレッチは無理をしないように、ゆっくりと始めましょう。

両手を挙げてリラックスストレッチ

壁から少し離れて両手を壁につけて立ちます

壁から少し離れて両手を壁につけて立ちます

1. 壁の前に立ちます。この時、壁から20センチメートルらい離れると、ストレッチしやすくなります。(ストレッチを行ってみて後から調整もOK)

肘と前腕は壁につけずに、両手だけ壁につけてみましょう。

 


腰の反りに注意しながら肘と前腕を壁へつけストレッチ

腰の反りに注意しながら肘と前腕を壁へつけストレッチ

2.肘と前腕を壁につけるように動かし、腕の付け根や肩甲骨周辺をストレッチします。腰は意識的には反らさないように要注意です。

鼻から息を吸い、口からゆっくり息を吐きながらストレッチをしましょう。肩周りや背中の緊張が強いと、伸びにくさを感じるかもしれませんので、10秒ほどのストレッチを3~5回繰り返し、徐々に緊張を和らげていきます。

 


片手で背伸びエクササイズ

壁の前に立ち軽く手をつきます(写真は左手)

壁の前に立ち軽く手をつきます(写真は左手)

1. 壁の前に立ち、片方の手を壁につけます。

この時、肘は完全に伸ばさなくてもかまいません。(写真は左側を行っているところです)


 


足は動かさず手の位置を精一杯壁の上方へゆっくり動かしていきます

足は動かさず手の位置を精一杯壁の上方へゆっくり動かしていきます

2. つま先立ちはせず、カカトは床につけたままで、壁につけた手の位置を、上方へ移動させていきます。

伸ばせる位置まで手を移動させ、腕~背中、お腹側を気持ちよく伸ばしていきましょう。胸部を壁へ近づけるようにすると、ストレッチが強めになります。左右を交互に行います。


 

猫背姿勢を改善・予防するための、こうしたストレッチを行う際は、結果を焦ってはいけません。予想よりも体硬くこわばっていたり、コリが強い場合が多いため、少しずつ緩めていかれるように、コツコツとストレッチを続けていきましょう。
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