「衣替え」は本来、衣類のお手入れのこと
日本の居住空間には、元来衣類の収納スペースとしての家具はあまり置かれていませんでした。衣替えとは、虫干し、洗い張りなどを意味していたのです
四季がある日本で着物の生活を送るには、季節の変わり目に着物を洗い張りに出したり、しまい込まれていたものを日に当てて虫干しをする必要がありました。衣替えとは、本来こうした「衣類のお手入れ」のことを差していたのでは。
高度成長期に入り、公団住宅などのコンパクトな居住スペースに婚礼3点セットの家具を置いて生活するスタイルが定着しはじめると同時に、家庭にある衣類の数も劇的に増え始めました。たんすに収まりきらない衣類は、ケースに納められ、押し入れやたんすの上などに収納されるようになります。こうして、「衣替え」はいつの間にか、家中の衣類を移動させる大運動会のようになってしまいました。
衣替えの弊害 ベスト3
季節の衣類は作業域に置く。シーズンオフは作業域外に。衣替えはカテゴリわけで乗り切りましょう。
ガイドは、そろそろこうした衣替え大運動会は見直す時期なのではないかと考えてます。なぜなら、従来の衣替えにはこんな弊害があるからです。
- 家族全員の服の管理を主婦が行うことが多く、負担が大きい
- 衣類が分散して、持ち物の全体像が見えにくい
- しまい込まれることで、逆にシミや虫食いのリスクが発生する
防虫剤や除湿剤などで万全の対策をしているなら別ですが、ケースに密閉して暗くてしまった場所にしまい込むことで、逆にシミや虫食いで衣類が傷むことも少なくありません。何よりも、衣類を移動させるのは時間もエネルギーもかかります。
個室にクロゼットがある間取りの家なら、もう衣類の大運動会はやめにしましょう。