骨粗しょう症を予防に役立つ栄養素・成分
骨量を減らす原因の一つが、食生活の乱れ。骨を形成するカルシウムが不足すると骨量が減るのは大きな要因ですが、他にも骨の健康に関わる栄養素や成分について、ご紹介しましょう。・カルシウム
現在1日に必要なカルシウム量は600mgですが、現在の日本人はやや足りない状況ですし、骨粗鬆症の治療ガイドラインでは1日800mgのカルシウムの摂取を勧めています。カルシウム、小魚や海草類、緑黄色野菜、大豆・大豆加工品、乳製品等に多く含まれています。
カルシウム摂取量が減ると、骨粗鬆症の原因となるばかりではありません。血液中のカルシウムが足りなくなると、副甲状腺ホルモンが分泌されて、骨からカルシウムを溶かして補います。この時、血液以外の細胞内にも余分なカルシウムを取り込むことで、カルシウム濃度のバランスが崩れ、高血圧、動脈硬化などさまざまな生活習慣病の原因となることがあります。これをカルシウム・バラドックスと言います。
・ ビタミンD
ビタミンDは、腸でのカルシウムの吸収を助けます。干し椎茸や白キクラゲ、サケ、サンマなどに多く含まれています。イワシなどの丸干しを食べると、カルシウムとビタミンDを同時にとることができます。また日光に当たることとコレステロールを材料に合成されますから、屋外で陽にあたることも必要です。
柑橘類に含まれているクエン酸は、骨の吸収を促す作用があります。 画像提供EyesPic |
骨を形成しているタンパク質の一種です。また、コラーゲン繊維は骨と骨の間をつなぐ軟骨にも多く含まれ、クッションの役割をしています。よく年配の方が関節痛を抱えているのは、骨粗鬆症の他に、コラーゲン繊維が老化してクッションの役割を果たせず、関節炎の原因にもなってしまうのです。コラーゲンは、鶏肉の手羽やガラ、カレイ、フカヒレなどに含まれています。
・イソフラボン
イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをします。エストロゲンは、骨からカルシウムが溶け出すのを抑える作用があります。 更年期や閉経後の女性はエストロゲンの分泌量が減るため、骨粗鬆症のリスクが高くなるのです。イソフラボンは、豆腐や納豆などの大豆製品に含まれています。
・ クエン酸
クエン酸には、カルシウムの吸収を助ける働きがあります。お酢や柑橘類などの果物、梅干しには、クエン酸が多く含まれています。イワシを梅干しで煮ると、カルシウム吸収を促すためにも効果的です。
・納豆のネバネバ成分
納豆のネバネバ成分であるポリグルタミン酸は、カルシウムの吸収を助ける働きがあるのです。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。納豆を食べる時は、お醤油や辛子を混ぜる前に、よくかき混ぜてネバネバをたくさん出すようにしましょう。他にも、納豆にはカルシウムや、ビタミンKやイソフラボン等、骨の健康に役立つ栄養成分が含まれています。
骨粗しょう症のリスクを減らすために、注意することは・・・、次のページで。>>