食と健康/メンタルヘルスの食事・レシピ

うつ病対策にもサカナ♪?(2ページ目)

心疾患の予防改善、ブレインフーズとして知られる魚油に含まれるn-3系脂肪酸。近年は躁うつなどの症状にも有効だと言われ、ますます注目度がアップです。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

n-3系脂肪酸の多く含まれる魚は、欧米で、日本で推奨されています。

アメリカや日本でもn-3系脂肪酸はおすすめ!

2005年1月に、米国では改訂版食生活ガイドライン「2005年度版Dietary Guidelines for Americans」が発表されました。アメリカ人の肥満や動脈硬化、心疾患など生活習慣病を予防し、健康維持に必要な食品の摂取基準を示したもので、この中でとくに未精白の全粒粉穀類とn-3系脂肪酸を多く含む魚を積極的に食べましょうと強調しています。

日本でも、2005年4月から導入された新しい「日本人の食事摂取基準」は、国民の健康の維持・増進、エネルギー・栄養素欠乏症の予防、生活習慣病の予防、過剰摂取による健康障害の予防を目的としています。この新基準は2005年4月から5年間、使用されますが、改定された食事摂取基準で増やすべき栄養素としてあげられたのは、食物繊維、n-3系脂肪酸、カルシウム、カリウムがあげられています。

新基準での目標量は、成人男性2.6g/以上日、成人女性2.2g以上/日となっています。これは、サンマなら1匹程度、サバ1切れ(150g程度)くらいです。これなら普段の食事で自然にとれそうな量ですね。

魚には水銀やダイオキシンのリスクも

このように国からもお勧めの魚ですが、平成15年6月に厚生労働省は、妊婦については魚を食べる上で注意が出ていました。「魚介類に含まれる水銀が胎児に影響する恐れがあるとして、妊娠している方又は現時点でその可能性のある方は、食べる量について注意することが望ましい」ということです。

水銀は、中毒症状になると神経の働きを損なう作用があり、胎児・乳児などは特に影響を受けやすいものです。今のところ、日本の魚はアメリカほど水銀含有量が多くなく、なかでも小魚は含有量が少ないので食べ過ぎなければ大丈夫、という指示になっています。(詳しくは厚生労働省のホームページなどを参照。)水銀などの有害物質を排出する食べ合わせなどについてはこちらをぜひご覧下さい。

またダイオキシンについても同様に、リスクはありますが、現状では健康に影響を与える量よりは下回っているということで、恐れるあまり魚を食べないこともまた別のリスクがあります。できるだけいろいろな産地の、いろいろな種類の魚を選んでリスクを分散する、そしてダイオキシンを排出する食物繊維やクロロフィル等を含む食品と食べ合わせることもポイントですね。

食べ過ぎは禁物


健康ブームで、さまざまな情報が伝わるどうしても私たちは情報に振り回されがちですが、何事にもメリット、デメリットがあると思います。日本人は昔よりも魚の摂取が減った分、いろいろな病気のリスクも高くなったのは事実でしょうが、かといって魚を食べ過ぎたりするのもよくありません。まずは、今の自分の食生活が乱れていないか、何か偏っていないかなど見直すことから始めましょう。

うつ防止目的で魚の多食、あるいはサプリメントなどの「n-3系脂肪酸」の摂取を勧めるのにはまだ時期尚早ではないかという研究者もいます。また脂肪酸は、やはり脂肪ですから過剰にとればエネルギーの過剰摂取になることも気をつけなければなりません。ようは食事で偏らず多様なものを食べましょうということですね。

n-3系脂肪酸を含むのは魚だけではありません。そのお話は次のページで>>
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