日本のご長寿地域といえば「沖縄」。と誰もが思われるのではないでしょうか。確かに女性の場合、全国の県別平均寿命では相変わらずトップの座を守り続けていますが、男性はその座を長野県に譲って久しいのです。その原因を探ることで、私たち現代人の食生活の問題点も見えるのではないでしょうか。

<CONTENTS>
  • 長寿地域沖縄に陰り?……P.1
  • 長寿村の食生活に学ぶ……P.2
  • 伝統食+ほどよい洋風化……P.3

    長寿地域沖縄に陰り?

    長寿
    沖縄の高齢者の長寿は以前高いのですが、男性の中年層は・・・
    以前、日本人の大切な主食「コメ」について記事でも書きましたが、日本は世界一の長寿国。その中でも沖縄は、戦前から長寿地域を誇ってきました。女性は、いまなおトップなのですが、男性は1985年まではトップの座を占めていましたが1995年には長野県にその座を譲り4位に。なんと2000年には26位になって、「沖縄クライシス」と話題になりました。

    さらに気になるのは、男性の主な年齢の平均余命を見ると、沖縄の65歳以上の平均余命は1位なのですが、40歳では9位、20歳ではベスト10に入っていません。つまり沖縄の長寿を支えているのは、65歳以上の男性と女性で、中年以下の男性は、短命化の傾向にあるのです。

    『健康長寿食』(NHK出版/新居裕久著)でも、沖縄の55歳以下の死亡率が全国ベースよりも高いことに触れ、その死因は、高齢者には少ない心疾患や脳血管疾患であり、高齢者が伝統的な沖縄の食文化を維持しているのと比べて、中年より若い人たちは、動物性タンパク質や脂肪、また糖分等を多く摂取する欧米型の食事にあると見ています。また食事だけでなく、運動不足や喫煙などの生活習慣なども健康を損なう要因として指摘されています。

    伝統食を忘れたところに、生活習慣病の影あり

    こうした傾向は、日本だけではなく、ヨーロッパの一部や、経済発展を遂げたアジア諸国などでも見られます。たとえば中国でも、日本の生活習慣病にあたる慢性病が増加しており、肉類や脂肪の摂取が増え、穀物の摂取が大きく減少、食塩摂取も多く、喫煙や運動不足も、その要因と指摘されています。この状態を放置して有効な措置を取らない場合には、中国では慢性病により、なんと今後10年間で8000万人が死亡し、心臓病、脳血管障害、糖尿病だけで、5500億ドルの経済損失が発生すると考えられ、深刻な問題となっています。

    何でも揃う豊かな食生活や、快適で便利な都会的な生活が、現代人を不健康にする要因になっているとは、なんとも悩ましいことですね。

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