オスの去勢手術方法

  1. 精巣摘出
    一番一般的な手術方法で、睾丸を切開して精巣を摘出します。切開した睾丸を縫わない病院の方が多いようですが、縫合したり、生体用接着剤で閉じるところもあるようです。

    我が家で手術経験のあるオスは、誰も縫われたことがありません。縫われなくても出血したり傷口が開くことなど大事に至った経験はありません。ただし、術後1週間~は睾丸がどす黒く腫れ上がりちょっと痛々しく見えます。手術して数年たつと、ほとんど残骸もわからないくらい袋が小さくしぼんでしまいます。
  2. パイプカット
    精巣は摘出せず、精子の通り道を途中で切断する手術方法です。メス猫を妊娠させることはなくなりますが、精巣が残っているとオスのホルモンは分泌されるので、姿形や行動的には去勢手術してないオスと同じ状態です。また、オスのホルモンが関係してる前立腺の病気や精巣の腫瘍を防ぐ効果もありません。

オス猫の手術で問題になるのは、停留睾丸(片睾丸)だった場合。オスの場合、まれに外見上睾丸が一つしか確認されない(片睾丸)、または二つとも確認できない猫がいます。睾丸が陰嚢まで降りてきていない状態で、停留睾丸と呼ばれます。遺伝的に関係するものだといわれていますが、何が原因で停留睾丸になるかはっきりと解明されていません。遅くとも生後8ヶ月前後までに降りていない場合は、その後も降りる可能性が低いでしょう。

睾丸が停留している場所は、鼠径部(おなかと足との境目)が最も多く、睾丸の付け根をさわるとかすかに確認できるかもしれません。睾丸がある場所が確認できれば手術は比較的楽に済みますが、中にはおなかの中のどこに睾丸があるか、なかなかわからない場合もあるようです。経験豊富な獣医師であれば、睾丸が降りてくる道筋がわかっていますので、開腹手術になることを怖がらず相談してください。

停留睾丸の腫瘍発生率は、正常な睾丸の10倍以上といわれています。通常外に出ている睾丸の中の精巣は低めの温度を保ちますが、体内に残された精巣はそれよりも高い温度状態にあります。適した温度でない場所にあるため、精巣は徐々に変化し、セルトリ細胞種と呼ばれる腫瘍になる確率が上がるようです。また片睾丸で陰嚢の睾丸のみを摘出しても、体内に残った睾丸は温度が高いにもかかわらず精子が生き延びていてメスを妊娠させる可能性があります。性ホルモンに関する問題行動は、体内に睾丸が残っている場合治まらないことが多いようです。

メス・オスどちらの不妊手術に関してもいえることは、性ホルモンに関わる臓器を摘出しない限り妊娠しない、させないだけで、性衝動に関する問題行動は治まらない、また残っている臓器は病気にかかる可能性があるということです。どの手術方法をとるかは、主治医とよく話し合って納得した上でお願いしてください。