首に垂らすだけで簡単にノミやダニの駆虫ができます |
猫につくノミやダニ
猫が身体を掻きむしったり、フガフガいいながら身体を噛んだりする原因はノミ以外にもありますが、もし外出自由の猫であればノミが第一原因と考えられます。外に出したことがない猫でも、人が草むらからノミを身体に付けて帰宅することや、近所の野良猫が落としたノミが網戸越しに室内に侵入してくることがあるので油断できません。猫の身体にノミがついているかどうかは、猫の身体を細かい目のノミ取りクシで梳いたり、猫の寝床に黒い小さなブツブツがないかを調べます。もし黒いブツブツがあったら、水で湿らせたテッシュなどの上に置いてみます。黒いブツブツが溶けて赤くにじむようでしたら、それはノミの糞です。ノミの糞のほとんどは吸血した血のかたまりなので水に溶けます。ノミの糞が発見されたら、ノミを直接確認できなくても、猫の身体には相当数のノミがついていて、そのまわりにはノミの卵やさなぎが無数にあるということです。
猫につくのはたいていがネコノミです。ネコノミは猫以外の犬や人間、ウサギやフェレットにも寄生します。ノミは猫を吸血し、猫の体表上で交配し1日に20~50個の卵を産みます。卵は楕円形で白っぽく半透明でツヤツヤしています。猫の寝床の下の方や家具の隙間など、薄暗くてホコリっぽいところに転がっていった卵は2~20日で幼虫になり、ゴミやノミの糞を食べ成長し、10~200日の間に3回脱皮を繰り返しさなぎになります。さなぎは約1週間で成虫になります。
ノミは哺乳動物が出す二酸化炭素に反応して飛びつきます。例えば空き家などでは、さなぎの状態のまま人や他の動物がくるのをじっと待ち続け、二酸化炭素に反応し成虫になり飛びつくこともあります。気温24~32度、湿度60~80%以上になるとノミは活発に活動し、ノミが快適とする環境下では2~3週間で繁殖ができるまで成長できます。低温などの環境では、1年以上さなぎのまま適した時期を待つこともできます。
このようなノミのライフサイクルを考えると、猫の体についたノミだけを退治するだけでなく、猫がいる環境をきれいに清掃する必要があります。販売されているノミ駆虫薬には、この猫のライフサイクルを遮断するタイプの薬もありますので、必要と思われる薬をご利用ください。室内飼いでも、ノミが活発な活動を開始する4月頃から年に数回ノミ駆虫を行うと安心できるでしょう。
猫につくダニ
外に出て行く猫であれば、どんなところでもマダニに感染する可能性があります。耳の中につくミミヒゼンダニは、このダニを持っている猫と接触すると簡単に感染してしまいます。マダニには800種類以上があり、あらゆる環境に適応し生息しています。マダニは、適当な場所で宿主が通りかかるのを待ち受けて、ハラー器官という独特の感覚器官を利用し、動物の熱、振動、二酸化炭素を感知し飛びついて寄生します。マダニは強力な爪で宿主にしっかりと取り付き、頭や耳などの比較的毛の薄い部分を刺し、一度ついたら数日間離れません。