猫に必要な基本的な栄養素

完全肉食獣である猫が必要とする栄養素は、水、たんぱく質、炭水化物、脂肪、ミネラル、ビタミンなど。基本栄養素は変わりませんが、必須アミノ酸など必要な量のバランスは全く違います。猫に必要な栄養分のバランスが取れた「総合栄養食」というキャットフードを与えるのが一番安全です。ドライフードはすべて総合栄養食ですが、缶詰は表示を確認して与えてください。特に猫に与えると危険な食物はこちらで確認してください。


  • 砂漠地帯に生息するリビアヤマネコの子孫であるイエネコは、尿を濃縮することで摂取水分が少なくても生きていける身体を持っています。そのために猫の腎臓がいつもフル回転で働いています。ほとんどの高齢猫が慢性腎不全になるのは、それが理由です。猫の身体は胎児期~未成熟期には80~90%、成猫になると60~70%の体水分で占められています。いつでも新鮮な水が飲めるように用意してあげてください。缶詰を主食にしている猫は缶詰から約75%の水分を摂ることができますが、ドライフードを主食にしていると約10%以下しか水分が摂取できません。ドライフードを主食にしている猫には、特に水をたくさん飲めるようにしてください。
     
  • タンパク質
    タンパク質は体の臓器や筋肉などの組織の基本的構成物質で、ホルモンや酵素、抗体を形成する重要な栄養素です。猫は、1日の食事量の約26%~30%を体が必要とするアミノ酸をバランスよく含んだ良質なタンパク質で摂取する必要があります。特に重要な必須アミノ酸はアルギニンとタウリンです。
     
  • 炭水化物
    多くは植物材料から得られる栄養素で、糖質と繊維質で構成されています。糖質は体のエネルギー源として、また繊維質は消化器の機能を正常に保ちます。完全肉食獣の猫は、脂肪とタンパク質からエネルギーを得るので人ほど炭水化物が重要な栄養素ではありません。しかし、動物性のタンパク質にはビタミンやミネラルの不足が生じますので、キャットフードには栄養バランスを整えるために炭水化物が入っています。
     
  • 脂肪
    脂肪はエネルギー源になったり、脂溶性ビタミンの吸収を助けたりします。猫は、体内で作ることができないリノール酸やアラキドン酸を食物から摂る必要があります。不飽和脂肪酸が多く含まれているマグロやカツオ、アジ、サバ、イワシなどの青魚ばかり食べさせていると、皮下脂肪が変性して黄色脂肪症という病気になることがあります。
     
  • ミネラル
    ミネラルは体内バランスの維持に必要で、神経や筋肉を活発にします。ミネラルには、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、塩素、イオウ、マグネシウム、鉄、フッ素、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素などがありますが、他のミネラルやビタミンとのバランスが非常に重要です。特に、カルシウムとリンは1.2~1.5倍の比率で摂る必要があります。マグネシウムを摂りすぎると泌尿器症候群(尿道結石など)を起こす可能性が高くなります。この点に配慮して作られている良質なキャットフードをお選びください。
     
  • ビタミン
    ビタミンは、様々な体内代謝を行う物質の総称です。水分に溶ける「水溶性ビタミン(ビタミンB群、ビタミンC)」と脂肪に溶ける「脂溶性ビタミン(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK)」に分類されます。猫はビタミンKとCを体内で合成することができますが、ビタミンE、A、B1、B2、B6、Dなどは体内で合成できないので、食事で摂る必要があります。

犬・猫と人の主な栄養素の必要量の比較
(1日の体重1kgあたりの量)

 
タンパク質 4.8g 7.0g 1.2g
カルシウム 242mg 250mg 10mg
0.65mg 2.5mg 0.155mg
ビタミンA 75IU 250IU 32IU
ビタミンD 8IU 25IU 2.8IU