2/2 メキシコのキュートな雑貨　trensa [雑貨] All About

素朴でオトボケ、大人のキュート、愛おしい気持ちになるメキシコ雑貨

繊細な刺繍がびっくりするほどかわいいブラウスやポーチ。
左上は素朴でカジュアルなバッグたち

さて、優子さんはついに独立して2007年にtrensaを立ち上げ、現地を行き来してものづくりの作家さん探しを始めました。最初の頃は現地に長期滞在し、人づてに紹介してもらったり、マーケットで直接知り合ったり、コツコツと地道に作り手と出会っていきました。最低でも半年から一年かけてサンプル作りのやり取りを行い、少しずつ信頼関係を作っていきます。無理はさせたくないし、たとえ小さな工房でも、本当にやりたいと思ってくれる人と、しっかりと絆を結びたい、と優子さんはいいます。
「出来上がったら送ってね、と言ってもなかなか来ない人はいっぱいいます。正直まだつかみきれてないですし、裏切られることもしょっちゅう（笑）。やっと送ってきてもシミが付いてたり、色落ちしていたり、商品がダメなことはよくあります。それもメキシコならではの大らかさなんですけどね。そんなことも含めて、メキシコが愛おしいと思っているので。でも彼らから見れば、きっと私はよく分からない外国人。まずは自分を信頼してもらうことが大事だと思っています」。現地の友人たちも何かと手伝ってくれ、アドバイスしてくれる人も多く、そんな人たちにも助けられているといいます。

刺繍ものいろいろ。ハンドクラフトならではのオトボケ感がたまりません。
ヘタウマな感じが絶妙です。右下のカゴもメキシコのもの。縁がカラフル！
※上記は一部非売品。1点もののため、同じものはない場合もあります。

いくつになってもかわいいものが好きな大人のために、素朴でキュートだけれど、子供っぽくはないものを紹介したい、という優子さん。扱う雑貨の基本は、本当に自分が欲しいと思う手工芸品で、特に鳥、花、蝶、ハートなどのモチーフが多いとのこと。
「これからはオリジナルももっと作っていきたいと思っています。メキシコだから、というよりも、素直に雑貨好きな人がかわいい！と思ってくれるものを扱いたい。だからメキシコにしてはシンプルなデザインかもしれません。南米専門の雑貨屋さんという感じではなく、普通のインテリアショップなどに馴染むような、洗練された雰囲気も備えたものを選ぶようにしています」。

アクセサリーのモチーフにはひとつひとつ意味があります。

さて、trensaグッズの中でも特に心奪われてしまったのがこのアクセサリーたち。左下写真はミラグロチャームと呼ばれていて、ミラグロとは「奇跡」の意味。お守りのような役目を持ち、願いや希望を込めて身に付けたり、教会にお供えしたりするそうです。ちなみにこの一番左はロバ。これは「豊作を祈る、ビジネスの成功」などを意味します。真ん中の手は「幸運をつかむ、仕事の成功、手に職をつける、クリエイティブさを身に着ける」など。他にもお花、ブタ、ハート、お家など、願い事によって、いろいろなチャームがあります。どれも手作りならではの素朴なフォルム。右下は画家、フリーダ・カーロも愛したといわれる、オアハカの伝統的なフープピアス。写真が小さくてちょっと見えにくいのですが、繊細な細工が見事です。
左上の写真はアクセサリーではなく、ブリキの鳥のオーナメント。窓辺に飾ったりしてもほのぼのとかわいい。フープピアスの後ろにあるジュエリーボックスも同じ作り手が作っています。

trensaの仕事はライフワーク、辞めたいと思ったことは一度もないという優子さん。商品の販売という枠に留まらず、今後はもっとメキシコの歴史や文化等、その国全体に深く関わり、様々な情報を発信していきたいそうです。