アルミカップの中に、アイスクリームのようにぽこんと 乗った、小さな小さなサボテン。 ちょっととぼけた風情の、ほのぼのと温かなかわいらしさがあって、 まるで小動物を飼っているようで、思わず話しかけてしまいます。 そんなサボテンをはじめ、様々な多肉植物を育てて販売している、 米本卓弘さんのアトリエを訪問しました。


フォルム、質感、色などのユニークさが多肉植物の魅力

温室
色とりどりで、見ているだけで楽しい!
米本さんのアトリエは、東京・八王子ののんびりとした環境の中にあります。 駅を出て少し歩くと穏やかな川が流れ、 東京にもこんな場所があったんだ、というような田園風景が広がっていました。 畑の片隅にぽつんと建つ小さな家と温室が米本さんのアトリエです。 自分で全て組み立てたという温室の中には、たくさんの 多肉植物が、元気に育っていました。

祖父の代から農業の教師という家系に生まれた米本さん。 子供の頃は、植物というより虫が好きで、様々なものを飼っていたそうです。 農業高校に進んだ頃は、食虫植物について研究していました。 最初は、他の植物とひと味違う風変わりさに惹かれたそうですが、 その頃からだんだんと多肉植物の魅力に気づきはじめてしまったようです。 「サボテンについて調べたとき、そのバリエーションの面白さに、こちらを選べばよかった、 とちょっと後悔するほどでした。 自然が作ったものなのに、造形が美しくてグラフィカル。 半透明だったり、ふわっとした質感だったり、 形や触感が他の植物に比べて異質なものが多い。 見れば見るほど興味が尽きることなく、気がついたら、今に至ったという感じです」。


多肉植物いろいろ
ちょこちょことちっちゃくてかわいくて、まるでお菓子のよう。


米本さんの多肉植物は、うつわの店やインテリアショップなどに並んでいます。 アルミのカップや味のある陶器、小指の先ほどの小さな鉢に ちょこんと植えられていたりして、まるで雑貨感覚。 植物を育てるのには少々覚悟が入りますが、 多肉植物はそれほど手間がかからず、ほっとくくらいが丁度いいそうです。 「枯らす原因の一番は、水をあげ過ぎてしまうこと。 あまりあげると根元が腐ってしまうんです。 種類にもよりますが、日によく当てて、水は10日にいっぺんくらいでいいと思います。 また、特に夏は注意。暑さに強いイメージがありますが、実は多肉植物って、夏が苦手なんですよ。 水は涼しいうちか、夜にあげた方がいいかもしれません」。

次ページでは、ユニークな多肉植物をいくつかご紹介します。