いよいよ、開業するつくばエクスプレス(TX)。どんな場所にどんな駅ができるのか、また、その周辺の住宅事情、住環境がどうなっているのかを都内、埼玉・千葉・茨城の2回に分けてご紹介いたします。
沿線概要:駅の近くに住める可能性大の路線
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足立区六町の新駅周辺は農地、小規模工場に住宅が入り混じった地域。これからの開発に期待がかかる |
今回、記事を作るにあたり、始発の秋葉原から終着駅つくばまでの全20駅を歩いてみて感じたのは、まったく何にもないところに作られる駅の多いこと。街のガイド記事を作る場合、駅からスタート、駅周辺の商店街、少し離れた住宅街とチェックをしていくのですが、今回は駅に到達する道が完成していない場所も少なくありませんでした。
つまり、2つのことがいえます。プラスに考えれば、駅のすぐ近くに住める可能性があるということ。実際、駅から徒歩5分以内で宅地分譲が行われたり、駅前でマンション建設が進んでいる地域も少なくないのです。既存の住宅地では、駅から5分、10分以内で一戸建てを建設、あるいは購入するのは難しいことですが、この沿線なら可能性は十分あります。
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足立区にできる青井駅は都営住宅群の中にできるため、商店街が近い。都内の駅以外では商店街が近くにない場所も多数。 |
もうひとつ、マイナス点は、買い物など、毎日の生活の利便性には期待できない地域があるということ。都内部では既存の街もあり、他県でも駅前で商業施設建設が進んでいる地域もありますが、それはまだ少数。もちろん、今後、開発が進むに連れて、利便性は向上していくでしょうが、少なくともここ2~3年のレベルで考えると、場所によっては多少の不便さもあるでしょう。とはいえ、開発が進んで便利になってからでは、住宅相場は上がってしまいます。今を優先するか、将来に賭けるか、そのあたりの判断が難しいところかもしれません。
秋葉原~浅草:建設ラッシュ続く秋葉原は暮らせる街に?
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タワーなど大規模な建物が多い秋葉原の再開発。IT企業などの進出も |
始発駅秋葉原周辺ではいくつもの街区に分けてビル建設や広場の整備などが進められています。北西にあるタワーマンションはすでに完成。加えて、徒歩10分圏で建設中のマンションも増えていますから、これまでオフィスや店舗中心だったこの街は確実に住む場所になりつつあります。それに応じて、電気街の真ん中を走る中央通りでは飲食店が増加、暮らしやすさも向上しています。とはいえ、公園やスーパーがあるような場所ではないので、ファミリーよりはシングル、ディンクス向けの街といえるでしょう。
実際、この周辺で供給されている新築マンションの中心は1LDK、2LDKなど。利便性重視のシングル、ディンクスが対象です。専有面積では50m
2~60m
2が中心で価格は4000万円~5000万円といったところ。
賃貸でもワンルーム~2LDKくらいまでが多く、賃料はワンルームで8万円~。中心は10万円以上で、カップルなら15万円以上見ておいたほうがいいでしょう。
続いてファミリー向け物件や駅近の一戸建てが期待できる、南千住、北千住、そして足立区の新駅を次ページで見ていきましょう。