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「東京コンプレックス」克服は住む場所選びから(2ページ目)

東京に出てきて◎年、もう東京は知り尽くしているのに、心の底に消しがたい引け目、よそ者意識があるとしたら、それこそは東京コンプレックス。克服のためには住む場所を変えてみましょう。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

「なぜ、この街に住むのか」
薀蓄を語れる、こだわりのある街

浅草の銭湯
歴史と独自の文化が下町の魅力。銭湯もそのひとつ。
「全国区」以外では、「なぜ、この街に住むのか」、薀蓄を語れるような街がおすすめです。分かりやすい例は下町。薀蓄を語るためには、その街の歴史や文化を知らなくてはいけませんが、それこそが、よそ者意識、東京コンプレックスを捨て去るにはいい手段なのです。考えてみてください。自分のふるさとのことは、いろいろ知っているでしょう? でも、今東京で自分が住んでいる街についてはどうですか? 自分が住んでいる街を知ることは、よそ者意識を払拭してくれる大きな力になるはずです。


北千住
個人的に注目しているのが北千住。便利さとレトロさが入り混じる独自の雰囲気が魅力。
さて、下町のおすすめタウンは浅草、両国、門前仲町、北千住、根津(いずれも駅名)など。浅草は「全国区」ですが、それ以外は馴染みがないという方もいらっしゃるのでは。ぜひ、以下のINDEXでどんな街かをチェックして、自分の好みに合いそうな場所を選んでください。今風のかっこよさには多少欠けるとしても、東京以前、江戸を知れば、東京なんて、なんてこたぁ、ありません。ついでに、地元で神輿に参加すれば、東京コンプレックスなんぞ、どこへやらでしょう。

下町以外でも薀蓄の語れる街はいっぱいあります。というよりも、自分の趣味や好みで選べば、おのずと薀蓄は語れるようになるはず。三社祭の神輿が担ぎたいからと本所吾妻橋に引っ越した、犬のためにベストな場所を探した結果が駒澤大学だった、とある中華料理屋さんのトマトと卵の炒め物が好物なので蒲田を選んだ、映画好きなので六本木で深夜映画を見た後でも徒歩帰宅できる場所を探した、多摩川の傍に住むのが夢だった……。

西郷山公園
休日に家の近くを散歩するだけでも、自分の街が好きになれるはず。
あるいは住んだ後、その街で自分の好きを見つけるのも手です。お気に入りの散歩コース、趣味のいい雑貨屋さん、落ち着くカフェにおいしい蕎麦屋さんなど、対象は何でもOK。だから、この場所が好きと思えるようなものを見つければ、自然、その街が自分のものになってきます。


いずれにしても大事なのは地元と関わる気持ちを持つこと。単にそこで寝ているだけでは、いつまでもよそ者でしかありえません。お店の人と話しながら買い物をし、ご近所の人には会釈をする。それだけでも、ずいぶん違います。そんなことが苦手という人なら、いきつけの飲み屋さんや食べ物屋さんを作るだけでも効果大。どうせ、この東京に暮らすなら、この街を第二のふるさとにしちゃいましょう。

【「全国区」な街が分かるシリーズバックナンバー】
Vol.1「ハイソで国際的な下町『広尾』」
Vol.6「情報感度高い大人の街『表参道』」
Vol.7「人に自然に優しい街『自由ヶ丘』」
Vol.8「季節感と情緒、グルメの街『浅草』」
Vol.9「自然、雑踏と文化の街『吉祥寺』」
Vol.11「セレブで庶民派な街『白金』」
Vol.12「元気な世田谷の下町『三軒茶屋』」
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