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武蔵小杉、マンションに新駅も開業し、変化続ける街(2ページ目)

首都圏各地の再開発の中でも規模の大きさで群を抜いているのが武蔵小杉駅周辺。マンションに加え、横須賀線の新駅も予定されており、中世以来の歴史ある街は大きく変わろうとしています。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

武蔵小杉の4つの魅力、
今後も続く、息の長い開発

変わってきた武蔵小杉。ここではもう一度、その魅力をおさらいしておきましょう。足回りはもちろんのこととして、その他で挙げられるのは……

駅周辺の公共施設
区役所、消防署、警察署、保健所に図書館、郵便局などの公共施設が駅周辺の至近距離内に集中している
1、中原区の行政の中心であるという点。駅周辺には区役所を始めとした公共施設が並び、さらに再開発地域内にも区民会館などが作られています。さらには商業施設も大幅に増え、生活は非常に便利になりました。

2、平坦な土地である点。東急東横線でも武蔵小杉以遠は駅から坂の多い住宅地が続きますが、この街は、再開発エリア全体も含め、坂がなく、駅から遠くても負担にならない場所です。

3、大学病院やスーパー、銀行など、暮らすために必要な施設はすべて揃っている点。何もない場所での再開発と違い、この街には元々一通りの施設があり、そこからの開発。中でも大学病院の存在は大きいと思われます。

等々力緑地
市民ミュージアムや野球場、プールなど、様々な施設の揃った市民の憩いの場、等々力緑地
4、多摩川や等々力緑地など、自然にも恵まれている点。多摩川の河川敷までなら1キロちょっと、等々力緑地なら2キロほど、自転車利用なら10分もあれば遊びにいける距離です。また、街中にも桜並木が続く、二ヶ領用水脇の散歩道など、散策が楽しい場所もあります。

これからの開発は駅北口エリアへ。
大学、社宅跡地にタワー建設計画目白押し

JR南武線と府中街道間に広がっていた工場跡地のほとんどは住宅、商業施設などに姿を変え、開発はおおむね終わったように見えますが、武蔵小杉に開発は地域を移して、さらに続きます。

ツインタワー建設現場

すでに現地には建築計画が発表されており、東急東横線最大級の街づくりとしてパンフレットも置かれている(クリックで拡大)

現在、開発の計画があるのは住宅地でありながら、大学などの学校、社宅などまとまった土地があるJR武蔵小杉駅北側(A)。ひとつは日本石油の社宅があった南武沿線道路沿いの土地で、2つの街区にそれぞれ54階建て、640戸のタワーが建てられる予定。完成は平成29年の夏とのことです。




 
グラウンド

病院裏手には広大なグラウンドがあり、今後、こうしたものも含めた開発が行われていく予定(クリックで拡大)

その北側では日本医科大学のキャンパスを再編してタワーマンションを建設する計画もあります。現在、日本医大武蔵小杉病医院がある場所に、2棟の50階程度のタワーマンションを建設する予定となっており、最初に日本医科大学病院を建替え、ついでツインタワー建設とのこと。計画では平成28年に病院建替えに着工、平成30年に完成、その後平成31年にマンション建設に着手、平成34年完成を目指すとなっています。

 

また、駅前にあったホテルエルシィ跡地にも住宅建設の予定があるそうですが、詳細はまだ分かりません。

将来への期待から
賃料、分譲価格ともに上昇中

今後ももっと便利に、住みやすくなっていくだろうという期待から、この街の賃料、分譲価格はともに上昇傾向にあります。賃料ではワンルームマンションで7万円~、2DKで11万円~というところで、再開発の進行に伴い、周辺でも建替えが予定されています。それに伴って、古くて安い物件は減少、新しいマンションが増え、相場を押し上げる結果になっています。

グランツリー内部

ここ数年で子どものいるファミリーの姿が増えた武蔵小杉。グランツリーも廊下幅を広く取り、随所にベンチを設けるなど子育て層に使いやすいことを意識している(クリックで拡大。写真はオープン前のプレス発表時に撮影したもの)

ファミリー向き物件も値上がりしています。武蔵小杉のファミリー向き物件は分譲賃貸が主流。家賃の目安は3DKで10数万円、3LDKになると20万円前後といったところですが、この賃料を払える人なら、物件にもよりますが、同じ場所での購入も視野に入ってきます。今、賃貸でこの街に住んでいる人なら、分譲物件の動きに注意しておきたいものです。

 

建築中の現場
これから5年後、どこまで変わるか、楽しみな街ともいえる
分譲物件は物件次第。最近の物件では70m2で6000万円~8000万円台後半となっているので、ファミリー向きなら6000万円以上をひとつの目安としたいところ。物件数自体は豊富ですが、原稿を書き直すたびに価格は見事に上昇しています。しかし、まだまだ物件自体は供給される予定ですから、今後も選びやすい街とはいえるでしょう。

*2006年の記事に2010年、2013年、2015年に加筆修正。


【シリーズバックナンバー】
「田園都市を代表する優雅な町『たまプラーザ』」
「坂と異国情緒の街『横浜(山手、元町)』
「歴史と未来が交差する街『みなとみらい周辺』
「港町横浜『関内、伊勢佐木町、中華街』

【武蔵小杉関連記事】
新駅誕生で供給ラッシュ 武蔵小杉に注目(マンショントレンド情報)
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