住みたい街 首都圏/住みたい街の見つけ方

住みやすさの指標、用途地域を読む(2ページ目)

土地にはそれぞれ、どのような目的で、どんな建物なら建ててよいかが定められています。これを用途地域といい、住まいの環境を左右するポイントのひとつ。ここでは用途地域の読み方をガイドします。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

住居地域、商業地域などでは
周辺チェックが重要に

マンションなどが多い第二種住居地域
マンションが建ち並ぶ第二種住居地域。隣接するのは第一種住居地域
同じ住居系の地域でも、住居専用地域でない場合には周辺のチェックが欠かせなくなります。たとえば、第一種住居地域では店舗、事務所、ホテルに加えて、環境影響の少ないごく小規模な工場が建てられるようになりますし、第二種となると、パチンコ屋さんやカラオケボックスなども。街の具体的なイメージとしては、郊外の駅前や幹線道路沿いなど、アパートやマンションの間にスーパーや店舗などが並ぶような場所。当然、交通量は多くなりますし、子どもへの影響なども気になるところです。

近隣商業地域
店舗と住宅が混在する近隣商業地域。商店街に隣接していることが多い
さらに、準住居地域は幹線道路沿いで倉庫などが混在する地域であり、近隣商業地域は日用品を中心にした店舗や中規模のショッピングビルなどが並ぶ地域。近隣商業地域では延べ床面積規制がないため、場合によっては日当たりに影響の出そうな規模の建物も建ちます。

商業地域
商業地域となると、工場以外のほとんどのものが建てられることに
これが、商業地域となると、広義の風俗営業関連施設も可能になり、延べ床面積の規制がなく、容積率の限度も高くなるため、高層建築物も建てられるようになります。名称が示すとおり、もともとは商業のための地域ですが、最近ではこうした場所にもマンションが建てられるようになっています。また、工業系の地域では準工業地域、工業地域の2種類が住宅建設が可能な地域で、実際、湾岸エリアでは工業地域にマンションが建設されている例もあります。

いずれの地域でも、現状がどうなっているかを知ることはもちろん、空き地などがあれば、将来の計画について聞いてみることも大事。高層ビルが建てられる場所であれば、マンションの隣にタワーが建つ可能性がありますし、商業地域であれば、隣にラブホテルが建つこともあるのです。

道1本隔てた場所の用途地域も
都市計画図で調べておこう

道1本で用途地域が変わる
道路を挟んで右側は第一種住居地域、左側は第一種低層住居専用地域。右側にはレストラン、新聞販売店、コンビニがあるが、左側は一戸建てばかり
もうひとつ、自分が購入しようとしている場所だけではなく、周辺の用途地域も同様に調べておきましょう。というのは、道1本隔てているだけでも用途地域は変わりますし、それが将来の住環境に影響を及ぼす可能性もあるためです。

たとえば、45mの高さまでの建物が建つ中高層住居専用地域に接する第一種住居専用地域であれば、将来日照を遮る建築物が建つかもしれません。同様に近隣商業地域に面していれば、カラオケボックスの騒音に悩まされることがないとはいえないのです。

目黒区都市計画図
用途地域が色分けされている都市計画図。簡単に安価に手に入る
こうした用途地域を調べるために、各自治体では都市計画図を用意しています。これは用途地域と高さ制限、日影規制など、建物を建てる場合に知っておかなくてはいけない制限を一枚にまとめたもの。300円程度で購入できます。また、自治体によってはホームページで見られるようになっていますし、購入したい物件が決まっているなら、不動産会社に尋ねるという手も。地図1枚で将来も含めた住環境がチェックできるわけですから、忘れず、チェックしておきたいものです。

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