住みたい街 首都圏/住みたい街の見つけ方

住みたい街、住みやすい街の違いは?(3ページ目)

住んでみたい街、住みやすい街は似てはいますが、微妙に違うところも。ここでは住みたい街を調査した地域ブランド調査」を参考に、自分にとってベストな街選びを考えてみましょう。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

イメージはイメージでしかないが、
真実であることもある

つくば市の公園
つくばは教育や学術、先進技術などの面が強くイメージされている
「何があるか」が街のイメージを作っているらしいということはお分かりいただけたと思います。前出の例でいえば、街のイメージは住み心地とはあまりリンクしていません。しかし、項目の内容によってはリンクすることもあります。

たとえば、教育・子育ての街という項目では文京区、八王子市、国立市、世田谷区、つくば市が挙がっていますが、これらの自治体は学校が多く、かつ独自教育などでも知られたところ。イメージの評価は絶対ではないものの、かなり的を得ているのです。

以上をまとめると、2つのポイントが見えてきます。ひとつは、イメージを鵜呑みにするのは危険だということ。マンションの広告などで、周囲に公園がある、だから自然環境に恵まれた立地だという言い方、見せ方をよく見かけますが、これはサーキットがある、だからスポーツが盛んというようなもの。本当にそのイメージにふさわしい環境があるのか、それは必ず精査すべきでしょう。

また、全く逆のように聞こえますが、イメージを信用することも大事です。というのは、イメージは現実が全くない、情報もないところには発しないからです。人は文京区には学校が多い、それを知っている、だから教育にいい街だと答えるのです。そう考えると、イメージには必ず一部でも真実が含まれています。ですから、イメージは信用すべきです。

自由が丘、蒲田のイメージの違いは
情報量の違い

自由が丘の街並み
街のプラスイメージは女性に好かれるかどうかとも言える
もうひとつ、イメージはプラスとマイナス、それぞれの情報量によって、どちらかになるということも覚えておいていただきたい点。たとえば、自由が丘と蒲田。100人にどちらに住みたいかをたずねたとすると、大半が自由が丘を選ぶでしょう。蒲田は交通も便利、飲食店や店が多く物価が安いなど、住むにはうれしい条件が揃っていますが、風俗営業が多いなど、マイナスのイメージが強くあります。実は自由が丘にも同種の店はあるのですが、それ以上にしゃれた街並みの、プラスのイメージが強く、情報量も多いため、マイナスが打ち消されているのです。

ただ、遊びに行く場合にはマイナス情報に目をつぶることができるとしても、住むときには、無視できません。必ずマイナスイメージ、情報もチェックしたいものです。

曖昧なものとしてとらえられがちなイメージですが、こうして考えてみると、決して無意味な、感情的なものではありません、イメージの元となっているものは何か、それが自分たちの暮らしにどう影響するか、それを考えていけば、住みたい街で、かつ住みやすい街が選べるはずです。

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