古い？風情がある？下町って住みやすい？(2ページ目)

都心のオアシス、隅田川テラス
川沿いの開放感にリラックス

隅田川テラスを歩く「散歩」ガイドの増田剛己さん。「夏だと暑くて歩けないよね」。いやいや、隅田川テラスは場所によっては両岸に設けられているので、暑いときは日の当たらない側を歩けばいいのです。つまり、ここなら1年中散歩が楽しめるのです

勝鬨橋からは隅田川沿いを佃大橋までを歩きます。ここは隅田川テラスと呼ばれる遊歩道で東京都建設局が順次整備をしており、完成すれば最も海寄りの勝鬨橋から浅草の吾妻橋まで歩いて行けるようになります。都心では目の前を建物が塞いでいることが多く、開放感を感じられる場所はそうそうありませんが、隅田川テラスはその希少なスポット。リラックスできます。

川沿いの気持ちいい風景。空が広く、風も爽やかで布団や洗濯物を干すには絶好

川沿いを歩いていて羨ましく思ったのは川沿いのマンションの、遮るもののない日当たりの良さ。秋晴れの日だったこともあり、あちこちのバルコニーには洗濯物がはためき、気持ち良さそう！隅田川ほどの川幅があれば向かい側からの視線も気にならないでしょうし、住んでも開放的というところでしょうか。中には川に向けて大きな窓をとった住宅などもありました。隅田川沿いはすでに開発されつくされた感がありますから、これから住むなら賃貸でしょうか、古い建物が多いようです。

こちらは門前仲町近くを流れる大横川。両岸には桜が植えられ、花の時期には和船が出て桜の下を遊覧できる

隅田川テラス以外でも下町エリアには川を利用した親水公園がいくつもあります。例えば東を荒川、西を隅田川に囲まれた江東区には都内最大の親水公園である仙台堀川公園をはじめ、7つもの親水公園があり、園地内には牡丹園やバラ園なども。大半の親水公園では自然のままの川の水を入れているため、ハゼやボラなどの魚類を始めとする水生生物が生息しており、都心近くながら自然は豊富。隅田川で釣りをしていたおじさんによると、このあたりではいまだに20センチ近くのハゼが釣れるのだとか。小名木川では60センチオーバーのスズキも見られたそうです。

新旧が同居する佃はいまや桜の名所、
月島にはもんじゃ以外の美食も

高層マンション増加に連れ、スーパーや飲食店なども増えた佃。それでも住吉大社のお祭りなども大事にされ続けている

佃大橋を渡って佃に入ります。ここは徳川家康が江戸に入った際、連れてきた摂津国佃村（現在の大阪市西淀川区佃）の人たちが埋め立てて作った街で、今ではほぼ一般名詞になった佃煮発祥の地です。しかし、現在ではそれよりも1989年以降に林立するようになった高層マンションの眺めのほうが有名でしょう。石川島播磨重工業の跡地を利用、都心居住を目指して作られた住宅エリア、大川端リバーシティ21は川沿いに遊歩道や緑地もあり、今では桜の名所。古い街並みと新しい街並みが同居した一種独特な雰囲気もあります。

写真右手に見えているのが「肉のたかさご」。その先の月島3丁目あたりに飲食店が多い

佃のお隣はもんじゃで有名な月島。遊びに来る人にはもんじゃのイメージしかないでしょうが、実際にはもんじゃストリート（正式には月島西仲通り商店街）から少し外れたあたりは刺身が旨い飲み屋さんなどが多いエリア。佃、月島あたりには魚にうるさい、築地市場に勤務する人が多く住んでいるため、鮮度とボリューム、値段は半端ではありません。最近では立ち飲みやカフェ、バーなども増えており、リバーシティ21ができた当初からすると外食の楽しみは格段に広がっています。もちろん、住宅も増えており、中古、賃貸で考えれば、予算はやや必要なものの選択肢は豊富です。

総じて物価が安いのも下町の魅力。普通盛りが大盛りという店も少なくない

ちなみに個人的に結構好きなのは清澄通り沿いに点在する、古くからの定食屋さん。しゃれたインテリアとは言い難いので、女性にはあまり好まれないかもしれませんが、お手頃な価格できちんと手作りされたご飯が食べられるのは下町ならではです。

さらに縁日で賑わう深川へ。