住みたい街 首都圏/住みたい街の見つけ方

古い?風情がある?下町って住みやすい?

江戸時代から開発されてきた古い街で、風情も人情も残る、それが下町とされるエリアです。では実際に住むとしたらどんなところが魅力なのか。散歩ガイドの増田剛己さんと歩きながら考えました。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

そもそも下町って
どんなところを指すもの?

銀座三越前のライオン
銀座を起点に考えると築地はもちろん、月島、勝どき、晴海あたりは余裕で徒歩圏といえそう
いつもは一人でぶらぶら街歩きをしているガイドですが、今回は「散歩」ガイドの増田剛己(下関マグロ)さんをお供に(?)下町を歩きます。コースは銀座三越のライオン前から黒板塀の料亭が残る向島まで。1日がかりの散歩です。

古い建物
見た目で言えば古い木造住宅や長屋、路地が残っている風景が下町らしいと称される
ところで、散歩の前にそもそも下町とはどんな場所を指すのでしょう。日本語として考えると2つの意味があります。ひとつは地形的な特徴から分類する下町。東京の場合、武蔵野台地上にあって高い場所を山の手と呼んでおり、それと対比する、地形的に低い場所を意味する場所が下町となります。

谷中銀座
最近人気の谷根千のうち、谷中は寺町で高台。そこから下った谷中銀座や根津は低い土地にある庶民の街、下町
もうひとつは社会的な意味としての下町。江戸時代、人は身分によって住む場所が決められていました。台地上の高い場所には大名、大身旗本や大寺院、それより少し下がって普通のお侍さんが住む屋敷があり、その周辺の低地に商工業に従事する庶民が住んでいたのですが、その町人達が住んでいた庶民的なエリアが下町です。実際には地形的な意味と社会的な意味はほぼ不可分なほど結びついており、東京湾沿い、川沿いの低地で江戸時代から商工業者、職人さんなどが住んでいた地域が現在、下町と呼ばれています。江戸時代から使われている具体的な地名で挙げると下谷、神田、根津、本所、深川、向島、日本橋、京橋、浅草などと言ったところで、江東区、墨田区、中央区、台東区あたりが中心になっています。

柴又の寅さん像
寅さんの街柴又にも帝釈天、その門前町があって江戸情緒たっぷり。名物が団子に川魚というあたりも下町だ
ただし、現在、下町という言葉は江戸時代のそれより拡大解釈されています。映画「男はつらいよ」で知られる柴又は江戸時代、江戸と言われる地域より外でしたし、「こち亀」の愛称で知られる葛飾区亀有も同様です。ただ、本来の下町も現在下町と呼ばれている地域も共通するのは「江戸情緒を残す風物があり、人情のある街」という点。そこで、ここでは上記の共通点を下町の定義とすることにします。そして、その意味では山の手の下町麻布十番や世田谷の下町三軒茶屋も同じ下町。範囲は広いのです。

銀座から歌舞伎座、築地市場を経て勝鬨橋へ
勝どきでは現在再開発進行中

歌舞伎座
他にも歌舞伎が見られる場所はあるものの、風情のある歌舞伎見物をするならやはり歌舞伎座。コンクリートの劇場にはない陰影が楽しめる
ではスタートしましょう。銀座三越のライオンを後に晴海通りを東京湾方向に向います。すぐ左手に見えてくるのが歌舞伎座。破風屋根が目立つ桃山様式の外観はいかにも和風で堂々としていますが、残念ながら2010年には建替え予定とか。歌舞伎座の少し先には新橋演舞場もあり、芝居好きにはうれしいロケーション。ただし、このあたりはまだ銀座で、住みたくても住宅はほとんどないエリアです。

築地場外市場
築地でも場外なら普通の魚屋さん同様に利用できる。また、ラーメン店を始め、飲食店も多く、増田さんとはしばし築地のラーメン談義も
首都高を越えてさらに進むと築地市場。都内に11か所ある東京都中央卸売市場のひとつですが、規模は世界最大。日本を代表する卸売市場というわけです。ここは最近、場外市場を中心に一般のお客さん誘致に熱心で、特に土曜日の朝には各種イベントも。魚のイメージが強いようですが、食品ならほぼ何でも揃います。少量買える店も増えているので、湾岸エリアなどご近所に住む人にはスーパーマーケット感覚で利用できます。そうそう、24時間営業の寿司屋さんもあるので、夜遊び後の〆に利用する人も多いんですよ。

勝鬨橋
橋の右手が最近マンションが増えているエリア。元々は倉庫と都営住宅などが中心の地域だった
築地市場を越えたところにあるのが勝鬨橋。渡ると勝どきで、橋の向こうには高層マンションが見えます。現在勝どき駅前では再開発が行われており、ここしばらくはマンション供給が増加しそうなエリアです。銀座からなら徒歩圏ですし、都心3区の中では値頃感のある中央区です。都心に住みたい人には狙い目かもしれません。ちなみに、勝どきでは高額賃貸物件も多く供給されており、六本木あたりの同じ広さの物件と比べると賃料は2~3割安だそうです。

晴海通り
築地市場を過ぎたあたりの晴海通り。左手に見えるのは晴海にあるトリトンスクエア。近さが実感できる
ここまでの距離は晴海通りをまっすぐ、1キロちょっと。タクシーなら1メーターちょっと。築地市場で寄り道をしなければ10数分というところでしょうか、店を見ながら歩いてきたのであっという間という印象です。

続いて隅田川テラスを歩きます。ここは都心散策には欠かせない素敵エリアです。

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