住みたい街 首都圏/キケンな街の見分け方

安全な街選びの第一歩、首都圏の地形を知る

自然災害に強い、安全な街を選ぶためには、地形、地盤を知ることが大事です。その第一歩としてここでは首都圏の地形を地質年代と誰にでも簡単に見られる、高低差の分かる地図でご紹介していきます。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

地形と地盤、
地質には深い関係がある

地形とは山地、丘陵、台地など地表の上の土地の形のことを指します。地盤とは地表の下の、建物を支えてくれる強さのある層のことで、マンションのパンフレットでは支持層などと書かれています。この2つは密接に関係しており、一般に高台にある丘陵地、台地では地盤が固く、低地では軟弱と言われています。もうひとつ、関係するのが地質年代です。これは土地の成り立ちを地球規模で見たもので、新しい土地は軟弱で、古い土地は強固です。つまり、ごく簡単にまとめると、地質年代が古い土地は地盤として固く、安心であり、地形としてみると高台にあるということになります。

古い地質ほど強い、
地形では山地、丘陵に該当

そこで、まず、地質年代から見ていきましょう。どこが古くて安心な土地かということです。地質年代はとても覚えられないほど細かく区分されていますが、人間の居住の安全に関わってくるのは、地球の歴史からすると非常に新しい、人類が地上に現れてから現在までを指す新生代第4紀以降。下図は関東を東西に切った断面図を模式化したもので、地質年代と関東平野周辺の地形を表わしています。
模式図

地質年代と関東平野中心部の地形を模式的に表したもの。こうしてみると、関東平野の地形は大きなボウルを重ねたようになっており、一番くぼんだところに東京低地があることに。距離、高さなどは正確ではない


緑や水色などの線の下に書かれているのは地質年代で、深いほうが古い年代になります。そして、地質は古ければ古いほど堅固なのが一般的です。土砂は上へ、上へと蓄積されますから、下の層はその上に載っている重みを支えることになり、下へ行けばいくほど重みに耐えられる強さを持つことになるのです。

では、実際にはどうなっているか。図で一番下に書かれているのは中生代ですが、これは新生代の前の時代に当たり、約6500万年前から2億5000万年くらい昔。図内の地形では関東山地(群馬県、埼玉県、東京都、神奈川県の関東地方と長野県、山梨県の中部地方の間にある山地)に該当します。山地は強固な岩盤でできていますが、残念ながら住むにはあまり適していません。

次に深い位置にあるのは第3紀。これは新生代でも第4紀のちょっと前で、170万年前から6500万年前ぐらい。図内の地形では多摩丘陵に該当します。丘陵も古く、一般論としては、強固な地盤というわけです。

強固なはずの丘陵が
造成で弱くなることも

ただし、丘陵なら、どこでも安全かというと、そうでもありません。斜面を切り崩して造成された宅地は斜面崩壊を起こす可能性がありますし、斜面の下部では上部から雨などで流されてきた土砂が堆積、その部分が弱くなっていることがあります。これは以下で取り上げる台地も同様で、一般的には良好な地盤と言われますが、台地上にある凹地は軟弱なこともあります。丘陵、台地だったら全部安全というわけではないのです。

短期間に堆積した低地より、
長時間かけて生まれた台地のほうが強い

さて、山地、丘陵よりも新しく、浅い位置にあるのが第4紀で、これも細かく区分されます。といっても、大きく分類すると2種類。更新世と完新世です。更新世は図にあるように前期、中期、後期の3期に分けられており、図内の地形では武蔵野台地、下総台地に該当します。

作られたのは1万年ちょっと前から12~13万年前。この間に海水は上がったり、下がったりを繰り返したため、同じ武蔵野台地と言っても、作られた時期によっていくつかの種類に分けられます。

首都圏で最後に作られたのが図内では東京低地と書かれているエリア。ここは1万年より後に海、河川によって堆積した地層によってなっており、軟弱な地盤と言われます。かつては沖積層という言い方をしていました。

これを立体で見たのが、下の地図。ここまで長々と説明してきた土地の高低が一目で分かります。画面中央の荒川両側には低い土地が広がり、左手、つまり西側には台地。台地には河川が作った谷が刻まれ、坂となっています。
武蔵野台地と東京低地

左側に武蔵野台地、右側に東京低地という高低がはっきり分かる。台地と低地の境になっているのは京浜東北線

続いて神奈川、埼玉、千葉の台地を見ていきましょう。

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