自分の足で得た情報こそ、就職活動の成否を決める!
名刺をもらえたら、就職活動の結果報告もちゃんとしようね。社会人になってからも、大切な人脈として繋げよう。 |
また、「手書き」だと、さすがにたくさん書けない(腱鞘炎になったという話をよく聞いたものだ)。ハガキ代も馬鹿にならない。50枚から、多くて100枚ぐらいが限界だった記憶がある。よってまず企業に電話をして、新卒採用の有無とスケジュールを聞いた。そして企業研究するにも情報が無いので、会社訪問や先輩訪問をした。とにかく自分の足だけで、一生懸命調べなくてはならなかった。
時代は変わった。今の時代は、リクナビなど就職情報サイトに個人データを一度入力さえすれば、「ポチッ」とクリックするだけで、企業にアプローチできる。コストゼロで何社でもOKだ。企業研究もネットで簡単にできる。昨年度の選考の日時や方法まで調べることができる。
確かに便利だ。もう腱鞘炎にもならない。足を使うこともない。
でも、それでいいのだろうか。
「日経ビジネス」2008年9月29日号の「有訓無訓」の中で、東京大学名誉教授の養老孟司氏は、ネットの中にあるのは、すべて“過去の遺物”だと指摘している。考えてみれば、ネットに掲載されている情報は全て「過去」の情報だ。昨年度の選考情報に至っては、1年前の古い情報である。就職情報サイトに載っている人事や先輩の声も、きっと半年前ぐらいに取材編集されたものである。さらに言えば、君がネットで得た情報は、「誰でも手に入る」情報なのだ。
つまり、ネットだけで就職活動をするということは、君の就職活動は、手垢にまみれた過去の情報をいじくっただけのものになってしまう。就職活動の失敗の多くは、ネットへの過度の依存が原因の一つではないかと思う。下手すれば、せっかく入社しても早期退職してしまう、ミスマッチの原因の一つではないだろうか。
本当に君にピッタリの企業を探したいなら、ネットではなく自分の足で探すべきだ。そして人事のハートに刺さる志望動機を作りたいのなら、ネットではなく君の足で調べた情報で作るしかないのだ。
その鍵の一つが、名刺なのだ。
名刺こそ、ネット主流の就職活動の中で、自らを埋没させず、自らを前に進めるスーパーアイテムなのだ。
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※ちなみに昔の就職活動には、エントリーシートが無かった。なぜなら、ネットになって応募者が増えすぎて、減らすために生まれたのがエントリーシートだからだ。つまりエントリーシートは、志望度が低い学生を面接可能人数に減らす「手段」なのだ。