やりたいことがわからない!みなさんへ
不安だし、わからないし、目の前真っ暗の就職活動。でも、何かを頼りに、前に進まないと、出口にはたどり着けない。 |
※求人倍率=求人総数÷民間企業就職希望者数
よって、そんなにどうしようもない状態ではないのだが、不安になる気持ちになるのはわかる。しかし、だからと言って、不安なまま、何もアクションしなければ、当然内定は取れない。例えばこの時期であれば、少なくとも何社かはあたりをつけてプレエントリーしておかなければ、会社説明会やエントリーシート提出などのスケジュールを把握できないし、志望動機や自己PRを作成するための会社研究さえできない。ジリ貧になってしまう。
「とは言っても、やりたいことがみつからないから、プレエントリーすらできないんです!」
こう訴える学生もいるだろう。そりゃそうである。星の数ほどある企業の中から、志望企業を絞り込むには、何らかの基準がどうしても必要だ。基準にはいろんな種類がある。業種なのか、職種なのか。大企業なのか、中小企業なのか。知名度は高いのか、低いのか。初任給はいくらなのか。勤務地はどこなのか。総合職なのか、一般職もしくは契約社員なのか。成果報酬なのか、年功序列なのか。歴史ある企業なのか、ベンチャー企業なのか。などなど、いろいろある。さて、一体何を基準にすればいいのか。
最も多い「こだわり」は、「やりたいことができるか」ではないだろうか。しかし、これには以下の問題点がある。
- 「やりたいこと」をやらせてくれるかわからない。
- 「やりたいこと」はやってみなくちゃわからない。
- 「やりたいこと」以外でも、やってみると面白いこともある。
- 「やりたいこと」はコロコロ変りやすい。
このように、もっとも曖昧な基準と言える。よって、「やりたいこと」を明確に言葉にできる人はとても少ない。というか、できなくて当然だと言える。
「じゃあ、どうすればいいんですか?」
今回は問題を解決する、一つのアプローチを提示したい。マサチューセッツ工科大のエドガー・H. シャイン教授が提唱する「キャリア・アンカー」を用いて、自分探しのヒントを考察する。
結論から述べる。「やりたいこと(興味・関心)」よりも、「するべきこと(価値観)」にこだわるほうがハズレは少ない。キャリア・アンカーは就職活動における「自分探し」の手掛かりになり得ることを理解しよう。
※次のページで、キャリア・アンカーとは何かを学ぶ!
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※今回の記事は、エドガー・H. シャイン(翻訳:金井壽宏)「キャリア・アンカー―自分のほんとうの価値を発見しよう」と、森礼子「キャリア・アンカー─キャリア・アンカーの芽」(PDF)を参考にした。