初めて派遣で働く場合
初めて派遣で仕事を探す方は、多少手間かもしれませんが、いくつかのサイトをのぞいてみましょう。派遣の場合は、正社員や契約社員と同じようにインターネットで仕事を探して、転職活動を行っているのですが、就業後の雇用主が派遣会社になるという特徴があります。給与の支払いや有給付与、保険への加入、福利厚生の制度などは雇用主によって異なりますから、派遣先を選ぶのと同様、派遣会社を選ぶことも重要です。その点については、「意外と知らない『派遣会社』の選び方」にまとめたので、そちらをご覧ください。
派遣の仕事情報を集めるには、大手派遣会社、特定領域に強い中小の派遣会社、集合サイトなど特徴の異なるサイトをチェックするところから始めるといいでしょう。時間がなくてそれどころではないという人は、まずは網羅的な集合サイトや大手派遣会社が運営する自社サイトで相場観を養ってから、個別のサイトをあたってみましょう。
すでに派遣で働いている場合
すでに派遣スタッフとして働いている場合は、今の派遣会社からの再派遣も考えましょう。「そんなことは当然考えた」とつっこまれそうですが……。たしかに、希望にあう仕事がなさそうとか、営業のフォローが頼りないというのが、派遣会社を変えるきっかけになります。それでも、あえて「今の派遣会社でもう一度」という可能性を考えてほしいのには理由があるのです。
ワークス研究所の調査によって、派遣会社の営業やコーディネーターに次の派遣先の確保を積極的に働きかけることによって就業確率が高くなるということが明らかになりました(出所:リクルートワークス研究所・中村天江「登録型派遣労働者の再就業に関する実証分析」)。業務経験や年齢よりも、この「働きかける」という行為によって再就業に差がつくのです。
派遣スタッフの7割以上が、派遣会社に希望条件を伝えたのち「連絡が来るのを待つ」受け身なスタイルです。仕事紹介を働きかけた人たちが取っていた行動は、「電話で」「メールで」「アポイントをとって」「オフィスを訪問して」という順でした。
出所:リクルートワークス研究所中村天江「登録型派遣労働者の再就業に関する実証分析」
派遣会社にはたくさんの登録者がいることを考えると、あなたと同じような経歴や希望条件の人は他にもいる可能性があります。こう考えると、積極的に働きかけることが、差別化につながるのは納得できると思いませんか? なお、「仕事紹介を積極的に働きかける」と並んで再就業の確率を高める要因は「そのスタッフが派遣会社から評価されている」でした。
次のページでは、昨今、派遣の仕事探しに起きている変化について取り上げます。