コンサルタントで働く/コンサルタントの仕事

コンサルタントならではのプロ意識(2ページ目)

NTTデータビジネスコンサルティングの八向さんに、目に見えない「業務」を変えていくには?コンサル流、興味、アンテナの張り方?連載1回目。

執筆者:大石 哲之

コンサルタントになってから…


-今行っている仕事の概略を教えてください。

NTTデータビジネスコンサルティングは主に製造業向けに、プロダクトライフサイクルマネジメントやサプライチェーンマネジメント、会計といった、業務プロセスコンサルティングを行っています。私はその中で、入社以来ずっとサプライチェーンマネジメントの業務改革プロジェクトに携わってきました。
具体的には、在庫の適正化プロジェクト、業務を可視化とKPI(評価指標)設定プロジェクト、生産物流業務改革プロジェクト、生産物流系情報システム改革プロジェクト、といった主に生産と物流領域における業務とITのコンサルティングを行ってきました。

-いきなり最初からそういうことが出来たわけではないですよね?

ええ。以前の会社ではソフトウェアの導入ですが、今はコンサルティングの仕事で、やはり仕事のやり方は違います。
以前は言われた事を忠実に行い、聞かれたことに対して自分が正しいと思うことをストレートに返していたように思います。当時は若かったというのもありますが(笑)。
ですが、今の会社に入ってからは、何か1つの発言をするにしても「今この会議でこのメンバーに対して言うべきことなのか」「自分が言うべきことなのか」「何を言うことを求められているのか」「この会議における自分の役割は何か」を常に考えています。
プロジェクトには色々な方々が参画されていますので、彼らの持つ知識の違いや、立場の違いなどによって、理解されるように話し方を変える必要もあります。
受け手が気分を害することなく、こちらが考えていることを理解してもらい、動いてもらうことができるのか、話し方1つにしても考えてから会議に臨みます。

利害関係を理解するとことから始まる


でも、こういったコミュニケーション手法だったり、どうすれば人やチームを動かせるのかという部分はコンサルタントだけに限らず、普遍的なスキルだと思います。お客様の会社でそれなりのポジションにいらっしゃる方々は、やはりそういったスキルに長けていて、こちらがこっそり勉強させていただくことも多いです。

これまでにも色々なプロジェクトに携わってきましたが、プロジェクトには本当に色々な背景、考え、利害関係を持つ人々が関わっています。
もちろんプロジェクトの達成のために誠実に熱心に役割を全うされる方もたくさんいらっしゃいます。中には、このプロジェクトが失敗したら後は無い崖っぷちの方や、情報システム子会社で早くシステムを作りたくて待っている方もいれば、定年まで平穏無事に仕事を終えたくて業務改革なんてやりたくないと思っていらっしゃる方もいますし、効果が出そうだったら自分の手柄にしようと虎視眈々と狙っている方、など様々です。
そういった利害関係を理解したうえで意見をまとめあげ、プロジェクトを推進する困難さは、一言で言い表せるものではありません。
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