森正弥マネージャーインタビューの2回め。今回のテーマは時間管理です。忙しいといわれるコンサルタントは、どのように時間管理をしているのでしょうか？ すごく気になりますよね。森さんならではの時間管理のコツを聞きました。時間管理のコツとともに、コンサルタントにプライベートな時間はどのくらいあるのか、などなど、読者のみなさんが気になるポイントについても聞いてみましたので、ご期待下さい。ビジネスマンは必読ですよ。
森正弥（もりまさや）さん
アクセンチュア株式会社
グローバルテクノロジーコンサルティング
マネージャー
森マネージャーの時間管理の方法
--森さんには、重要な時間管理の法則が2つあるそうですねはい、時間管理のポイントは2つだと思うんですね。「自分の生産性を常に測ること」「チェックポイント管理をすること」です。
--なるほど。おもしろそうな話です。ではまず最初の「生産性」について詳しくお伺いできますか
私は、自分の生産性を常に測っています。これは、時間管理をするときの基礎資料というかすべてのベースになるもので、これを把握しないとだめなんですね。
生産性を測るというのは、「この種類のメールを書く場合15分かかる」とか「この種類の資料をつくるには、これくらいかかるとか」そういうのを、タスク別に把握するんです。自分の生産性の基準は、何にどのくらい時間がかかるかを常に自己チェックしておくんですね。
--そうすると、何がわかるんですか
生産性がわかれば、当然、見積りが立てられます。この日までにこの手の資料をつくるには？ という問題に対して、どういう作業が必要かを分解して、それぞれ自分の生産性基準を当てはめれば、どのくらい時間がかかるかがわかるわけです。
そうすることで、今日はもっとやっておかないといけないなとか、これならば、1週間に1日はバーに飲みに行っても大丈夫だとか、事前に計算ができるわけです。
--なるほど。事前に見積りをするおくことで、スケジュールの把握が容易になる。
ええ。行き当たりバッタリの場合とちがって心にも余裕ができますし、例えば「バーにいく」というのも事前に予定を立ててしまいますから、たとえバーに行ったとしても、仕事が間に合わなくなるというようなことはない。後ろめたさを感じずに、堂々と飲みに行くこともできるようになります。
--ちなみに、そのスケジューリングはどの単位でたてていますか？ モノの本には15分刻みというのがあるようですが
15分というのは少し短すぎますね。私は普通に1時間単位でスケジューリングします。ここら辺は人それぞれの事情にあわせて90分でもいいと思いますが、あまり短い単位よりも1時間くらいのほうが、頭で理解するのも容易でいいと思います。
チェックポイント管理
--次に、2つめのチェックポイント管理についてお聞きしたいと思いますこれは、「事前に見積りを立てる＝スケジュール管理」のコツなのですが、必ずチェックポイントを立てておくことが重要なんですね。たとえば、金曜に提出する資料があったとして、金曜に提出するためには水曜までには何と何を終わらせていないといけないか。チェックポイントを設けて、かならずチェックするわけです。逆にいえば、何と何を終わらせておけば、大丈夫なのか。チェックポイントを設けていれば慌てずにすみます。
コンサルタントの仕事は形が見えにくいモノなので、やろうと思うと延々と仕事をしてしまいがちです。ですから、ちゃんとチェクポイントを設けて進捗を測って自己管理をしていかないと、「仕事が終わらなくなるんじゃないか」と心配になって、ついつい延々と働いてしまうことになる。時間管理が悪くて、ずっと夜遅くまでだらだら仕事してしまうことがずっと続いているという人は、そういうことなのではと思います。
--チェックポイントを設けても、ついだらけてしまいませんか？
チェックポイントは、他人にチェックして貰うことに決めています。「水曜日までにここまでできている必要があるから、水曜になったらチェックしてくれ」と頼むんです。
これは自分を追い込むことになるのでけっこう辛いことではありますが、仕事に必要だから必ずチェックして貰うとあきらめています。他人にチェックして貰うことで、自分の生産性が向上なども明確にわかるようになり、嬉しいこともありますよ。
--なるほど、なるほど。しかし、コンサルタントをやっていると、そういうスケジューリング自体が難しくなるくらい、忙しいときもあるでしょう？
たしかに、コンサルタントの仕事は、時には自分のスキル以上の内容を求められる仕事をこなさないといけないこともあります。そういうときは、プライベートもなくなることもありますが、なるべく楽観的に、チャレンジできるようにしています。
--忙しい話について話がでたところで、次は、もっと現実的な話、プライベートとの両立などについてお伺いします。
次回へ続く。ご期待ください。
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