成績が悪い年の実績は記載しないほうがいい?
実績が悪かった年度も隠さず記載して倫理観の高さを伝えましょう
一般的にはもっともな考え方のようですが、MRの場合は事情が異なります。副作用情報の迅速・的確な伝達に象徴されるように、MRには高い倫理観が求められ、選考の際にも強く意識されます。「自分に不利な情報を隠している」という印象を持たれたら、どんなに高い実績をあげていても選考の通過は期待できません。
過去の実績が記載されているなかで、不自然に記載の抜けた年度があれば「成績が悪かった年度の実績を隠した」と判断されてしまうおそれが高くなります。そうなると選考には大きなマイナスとなります。仮に書類選考を通過できたとしても、面接時には必ずその点を確認されますので、面接通過はまず無理でしょう。
成績が悪かった年度があればその年度の実績も記載し、その上で実績が悪くなった理由と挽回するための取り組みを併せて記載しましょう。書類選考では(面接でも同じですが)、採用側は営業成績に波があること自体はさほど気にしません。成績が悪くなったときに、その理由を正しく把握して的確な対策をとることができていれば、決してマイナスには評価されません。さらに的確な対策を講じた結果、翌期に成績が回復していればプラスの評価にもつながります。
自己PRは何枚に収めたらいいの?
その他よくある誤解としては、職務経歴書をコンパクトにしようと意識しすぎて、自己PRの内容が抽象的になってしまったり、数字の実績だけの記載になってしまい、アピール度の乏しい自己PRになってしまう場合。職務経歴書のボリュームは、職務経験の長さに応じて増えるのが自然です。無理に枚数を減らす必要はありません。上記に述べてきたポイントを踏まえて、職務経験の長さに応じて記載すれば大丈夫。1つの目安としては、経験5~6年の場合で3~4枚程度となるのが一般的です。
ダラダラ長文は悪い印象を与える
最後に自己PR文の仕上げとして、文章の長さや体裁をチェックしましょう。MRには「簡潔なコミュニケーションスキル」が求められます。それは面接の場だけでなく、自己PR文でも同様です。一見して読みにくい印象を与えてしまうのは、明らかにマイナスです。一生懸命に書くと、熱が入って長文になってしまう場合があります。一文の長さは2~3行以内にまとめましょう。読みやすいように、文字の大きさや行間にも注意を払いましょう。枚数が多いと読んでもらえないのではないかと考えて、文字を小さくしたり行間を詰めたりするのはかえって逆効果です。
自己PR文が書けたら必ず誰かにチェックしてもらいましょう。自分の書いた文章は、誤字脱字も含めて自分ではおかしな点に気がつきにくいもの。一番効果的なのは、人材紹介会社のキャリアコンサルタントにチェックしてもらうことです。プロによる適切なアドバイスが期待できます。もし、人材紹介会社を使わずに転職活動をする場合は、知人やご家族にチェックしてもらいましょう。
■自己PRチェックのステップ
- 盛り込むべき項目に過不足はないか
- 事例の記載にはアピール度を高める表現が使われているか
- 実績の悪い年度は理由と対策も記載されているか
- ボリュームは経験年数の長さから見て適切か
- 誤字脱字や読みにくいところはないか(長すぎる文、わかりにくい表現、文字の大きさ、行間など)
- 最後にキャリアコンサルタントなど第3者にもチェックしてもらう
- 応募先企業へ提出