高校時代、「家庭の都合で進学を諦めざるを得なかった」という方というのは結構多いようです。今回はそんな理由で美大受験・進学をあきらめた30代の方から、メールをいただきました。27歳でアメリカの美大に留学した私(ガイド西島)のプロフィールに関する質問にお答えします。



読者Aさん:「西島さんは、社会人になってから経営学学士取得後、アートの分野に転向されたそうですが、その経歴に非常に驚きました。」

私のプロフィールには「経営学からアートに転向」とありますが、正しくは「経営学学位取得後、アートの世界へ」ですね。


私がアートを勉強したい、と思い始めた頃、「異なった学位を組み合わせる」という考え方はあまり一般的ではありませんでした。大学時代と大学院での専攻は同じ、もしくは関連したものという方が多かったと思います。

しかし、アメリカでは、「経営学×(かける)アート」という考え方が一般的です。つまり異なる学位を組み合わせることによって、使い方次第でいくらでも可能性が広がります。例えばアートを「ビジネス」と捉える考え方、または経営にアートセンスを取り入れるなど、言われてみればなるほど、と思えるような組み合わせが考えられますよね。

ここ最近で知名度が高いものと言えば、大学時代の学位×MBAですね。
また、技術系では工学×MBAまたはMOT(Management of Technology)なども人気が高くなってきています。

私自身、当時は経営学からアートに転向、という意識を持っていましたが、今では経営学もアートも私にとって大切な知識となっています。


読者Aさん:「美大に進学するため予備校に通ったとありますが、その際はデッサンや実技の勉強もあったのでしょうか?それとも、美術史や美術概論などの勉強をされたのでしょうか?」

絵が趣味の父親に影響されて育ったものの、自分の絵の技術にはあまり自信がありませんでした。

アメリカの美術大学では、ポートフォリオと呼ばれる作品集をスライドの形にして提出するのが一般的です。何から手をつけていいのかさえ、さっぱり分からず、作品集作りを手伝ってくれる予備校を探し、約半年間通いました。

予備校では、デッサンの基礎、道具の扱い方などを徹底的にたたきこまれましたが、仕事とは全く違った世界は新鮮で、とにかく楽しかったですよ。やはりプロに学んだおかげで、効率よく受験準備を進めていけました。費用は授業料が7万円で、それ以外に材料費が多少かかりました。

美術史等は、美大進学後に授業で学びました。受験には全く関係なかったので特に気にしませんでした。

英語は月に1~2回、大学時代の先生にみてもらい、基本的には独学でした。
幸い仕事で英語を使っていたせいもあり、留学準備は全て自分でやりました。専門業者に依頼すると、50万円~かかるので、かなり節約できました。



読者Aさん:「本気で芸術を目指すなら、必ずしも美大に行かなくても専門学校等でも出来ると思いつつ、やっぱり悩んでいます。」

大学と専門学校の大きな違いは、「学位」です。あとは自分が大学及び専門学校の各カリキュラムに納得出来るか(お金と時間を費やす価値があると認められるか)だと思います。


私の場合は、下記の理由により美大(院)進学を決めました。
  1. アメリカの大学院に留学したい
  2. 修士号が欲しい
  3. 自分の好きなことを徹底的に勉強したい

留学にあたっては、退職がからむこともあり、とても悩みました。でも、今となってみれば、自分の欲求にまっすぐ向きあえたことに大きな意味を見出しています。「あの決断のおかげで今の自分がある」と自信を持って言えるからです。また、自分の欲求を抑えこんで生きていくことに対する後ろめたさと不安は耐えがたいものでした。

私は美大進学後、すぐに美術系大学院に再進学しましたが、教授陣はすばらしく、質の高い授業に満足。また友達にも恵まれ、本当に充実した学生生活をおくることができました。当初の目標だった修士号(Master of Arts)も無事取得できました。

あの経験が今の私の一部となっていますし、もしあのまま進学をせずにあきらめていたら、と思うとゾッとします。


読者Aさん:「高校時代、家庭の事情で美大受験・進学をあきらめた経験があるのです。30代になって、夢を捨てきれず再挑戦できないものかと思うようになりました。」

メールから察すると、美大への憧れや、絵に関する基礎力への不安などがあるのでしょうか?

30代になるまで高校時代からの夢を持ちつづけられるのは本物です!いくつになっても大学・大学院進学は出来ますよ。私がここでガイドをしているのは、そういった方の力に少しでもなりたいからです。

実際、多くの方が年齢問わず、大学・大学院に進学しています。私の周りにも30代になってから本格的に美術の勉強を始めた人がたくさんいます。また、学位にこだわらないのであれば、専門学校や各アートスクールなどでも充実したカリキュラムを持っていますので、ぜひ調べて見て下さい。

きっと、新しい自分に出会えるはずです!「高校時代にあきらめた」という無念さを「進学のきっかけ」と捉え、そろそろ気持ちを解放してあげるのはどうですか?下記関連記事も参考にしてみて下さい。


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