京都のこだわり規制
関西の中でも、数多くの風致地区を持つ京都市。京都は東・西・北の三方を山に囲まれ、緑が豊かな街としても有名です。また、歴史的な資産もたくさんあり、自然景観や歴史的景観を守りながら、緑の豊かな住宅地を守っています。現在では市の約3分の1に相当する地区が風致地区に規定されています。また、京都では景観にこだわった規制をしています。例えば「建築物の形態及び意匠」の規制では、
- 建築物の外観は,伝統的な和風様式を基調とする。
- 屋根の形状は,入母屋,寄棟,及び切妻のいずれかの形状で屋根の勾配は約16度から27度の角度とする。
- 外壁の表面は,土壁,しっくい壁,焼杉板張り又は砂壁状吹き付け,タイル張りその他これらに類するもので仕上げられ,壁面が長大感を与えないよう配慮されたものであること。
郊外に多い大阪、神戸は河川の景観保持
生垣の指定などが指定されている風致地区。街全体が緑に包まれている。 |
- 絶対高さの制限……10m以下に制限
- 建ぺい率……………40%以下に制限
- 外壁後退距離………道路より1.8m以上 隣地境界より1m以上
- 植栽率………………1,000m2以上の敷地では30%以上の植栽部分が必要 (500m2超は同25%以上、それ以下は同20%以上)
- 道路側条件…………生垣または1.5m以下の塀(フェンス)を標準
- 周辺との調和………周辺の風致と調和すること
また、神戸・芦屋・西宮などの阪神地区は、六甲山のふもとを中心に、指定地区がたくさんあります。これらの地域は、阪神間でも有数の閑静な住宅街。風致地区の指定がされているのもよくわかります。また、六甲山から流れる川の景観保持に力が注がれているようです。神戸市の「住吉川・赤塚山」地区では、住吉川沿岸の松並木と住宅街の調和を目指しており、河川に面したところでは、建築物等後退させるとともに、生垣などの緑化を行い、緑豊かな河川景観を守っているようです。
このように、住人と行政とで街の景観を守っている「風致地区」。緑豊かな熟成した街が多いのが特徴です。ただ、この地域に住むとなるとその規制にしばられるのも事実。でも、このこだわりこそが街並みをひとつの財産とすることができるのかもしれません。自然豊かなこだわりの街を探すには、この風致地区をチェックするのもいいかもしれませんね。
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