ミッションのオーバーホールが可能になる!
これまで車両価格以上にメンテナンスなどに掛かる維持費が大変だといわれていたGT-Rだが、今後は部品代などが少しリーズナブルになってくる |
2007年にデビューしたニッサンGT-Rは、その優れた走行性能とともに、メンテナンスの際にも特別な配慮が必要となることで注目を集めました。特にメンテナンス時に必要となる交換部品の価格は、タイヤ1本で約10万円など、これまでの国産車の常識をはるかに上回るものとなっていました。
もちろん、車両価格自体も、性能を考えれば間違いなくリーズナブルであるとはいえ、おいそれと手が出せるものではありませんでした。しかし、発売から3年近くが経過し、より低価格な中古車もそれなりに流通するようになってきたことから、今後は幅広いユーザー層が見込まれるようになってきています。
そうした想定オーナー層の変化や昨今の経済状況を考えてか、ニッサンでは4月より主要な交換部品の価格を大幅に値下げしてきたのです。例えば、専用タイヤ4本の価格が従来の40万9500円から35万7000円に、ブレーキパッド1台分が17万6085円から13万5450円に、そしてブレーキディスクは1台分40万9500円が38万8500円へと、それぞれ変更されました。
また、これまで比較的短いサイクルでの交換が求められてきた油脂類についても、テストの結果、使用状況によってはロングライフ化が可能になることが確認されたため、使い方によっては交換サイクルを大幅に伸ばせるようになりました。
変更されたのは、トランスミッションオイルとディファレンシャルオイルの交換の目安となる温度しきい値で、走行中の油温が120度を超えない使用状況では、6万kmまで無交換で対応できるようになりました。ただし、油温が120~140度になる場合は5000kmごとに、140度を超える場合にはトランスミッションとディファレンシャルオイルをセットで速やかに交換する必要があります。
従来はトラブルが出るとアッシー交換だったミッションが、O/H可能になる |
しかし、今後はトラブルの起きやすいクラッチや制御系のソレノイドなど、部品単位での修理が可能になることで、修理費が大幅に安くなるようです。正式な修理費用は今のところ発表されていませんが、専門誌などの調べでは(修理の内容によっては)約70万円でできるようになるということですので、かなりの負担減となるはずです。
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