2004年11月19日11月30日12月10日と消費税を取り戻す方法を3回にわたってお話したが、その後問い合わせを多くいただいた。大家さんたちの消費税に対する関心の高さが分る。

アパ・マンの新築にかかる消費税は事業収支に直接跳ね返ってくるコストである。従って、消費税還付のスキルを身につけておくことは必須といえる。

消費税還付について質問を受けることも多いが、その中で気になった質問に、「税務署にいってみたけど家賃は非課税だからダメと言われました。新築にかかる消費税の還付なんて無理なんじゃないの?」というものがあった。

これは、消費税の「一括比例配分方式」という計算の仕方を理解することで解決できる。
そこで今回は消費税の「一括比例配分方式」について考えてみよう。

消費税還付のしくみ


もう一度消費税の仕組みについて復習しておこう。

消費税は、

納付すべき消費税 = 仮受消費税 - 仮払消費税 

という計算で納税額が決まる。例えば1,050万円(税込み)で仕入れたおもちゃを1,260万円(税込み)で販売すれば、

60万円 - 50万円 = 10万円

で、あなたが納めるべき消費税は10万円となる。反対に仕入れたおもちゃを1,040万円(税込み)でしか販売できなければ、

40万円 - 50万円 = ▲10万円

となり、あなたには10万円の消費税が還付されることになる。

「個別対応方式」と「一括比例配分方式」


消費税の計算には、「個別対応方式」と「一括比例配分方式」の2つがある。どちらの計算方法を選択するかによって消費税還付の方法が全く違ってくる。

1.個別対応方式

あなたが5,250万円(税込み)の居住用アパートを新築したとしよう。敷地には飲料水の自動販売機を設置している。(建物は12月に完成し、翌1月より入居とする。従って今年度の家賃収入はないものとする。これは売上全体に占める課税売上の割合を高くするためである。課税売上割合が高ければほぼ全額の消費税還付を受けることが可能になる。)

個別対応方式では、仮払い消費税を下記のように計算する。個別対応方式の場合、非課税売上に対する仮払消費税は消費税額の計算の中にいれることができない。

例えば、自動販売機からの売上が10.5万円(税込み)、缶ジュースなどの仕入れが8.4万円(税込み)だったとする。アパートからの家賃収入は非課税売上とされるため、250万円は仮払消費税の中にいれることができない。

・自動販売機の売上にかかる仮受消費税額 =0.5万円 
・自動販売機の売上にかかる仮払消費税額 =0.4万円
・アパートの新築にかかる仮払消費税(建築費にかかる消費税)=250万円

この場合、納めるべき消費税額は、

仮受消費税額0.5万円-仮払消費税額0.4万円=0.1万円

となり、0.1万円を納税しなければならなくなる。

2、一括比例分配方式

一括比例分配方式の場合、非課税売上に対する仮払消費税も消費税額の計算の中に全ていれることができる。

自動販売機の売上にかかる仮払消費税額=0.4万円
アパートの新築にかかる仮払消費税(建築費にかかる消費税)=250万円

であるが、納付すべき消費税額は、

仮受消費税額0.5万円-(0.4万円(缶ジュース仕入分仮払消費税額)+250万円(アパート新築分仮払消費税額))=▲249.9万円

となり、249.9万円が還付されることになる。

つまり、アパートの新築にかかる消費税還付を考える場合、絶対に一括比例配分方式を利用しなければならないのである。

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