アパート・マンションを新築する際に支払った消費税は還付を受けることができないと一般的に思われている。
 しかしながら一定の条件を満たすことで支払った消費税を全額取り戻すことも可能になるということはあまり知られていない。
 この方法は消費税の性質を利用したものであるため、消費税還付の方法の前にまず消費税の仕組みを理解する必要がある。
 そこで今回は消費税の内容を解説し、次回消費税が還付されるケースとその条件について解説したい。

消費税の内容


 消費税とは、品物を売買したり、サービスの提供を受けたりといった「取引」に対して課税される税金をいう。
 具体例としておもちゃ屋さんとおもちゃメーカーとの関係で説明してみる。ここではおもちゃ屋さんの立場に立って読んでいただきたい。
 おもちゃ屋さんのあなたがメーカーからおもちゃを800円で仕入れたとする。この場合、あなたはそのメーカーに対して800円の5%である40円をメーカーに消費税として支払うことになる。
 このおもちゃを今度はあなたのお店で1,000円で販売するとき、お客はあなたへ代金の1,000円と消費税50円を支払う。
 この場合、あなたが税務署へ支払う消費税は、

 50円(お客から受け取った消費税)—40円(メーカーへ支払った消費税)=10円

となる。
 つまり、この場合あなたは最終消費者ではないため、支払った消費税額と受け取った消費税額の差額を納税すればいいのである。
 メーカーへ支払った消費税のことを仮払い消費税、お客から受け取った消費税を仮受け消費税という。

 納税額 = 仮受け消費税額 - 仮払い消費税額

 それでは、仮受け消費税額を仮払い消費税額が上回る場合はどうなるのだろうか。さきほどの例でおもちゃが500円でしか売れなかった場合(仕入値は同じく800円とする)を考えてみる。
 この場合、あなたがメーカーに対して支払う仮払い消費税は40円であり、お客から受け取る仮受け消費税は25円である。
 納税額の計算式にあてはめると、

 25円(仮受け消費税額)-40円(仮払い消費税額)=—15円

となり、納付税額がマイナスとなる。消費税の還付はこのような場合に可能になる。還付とは払いすぎた税金があなたへ返還されることをいうが、このケースでは15円があなたに還付されることになるのである。
 以上が消費税の基本的な内容であるが、アパート・マンション経営者にとって消費税は大変理不尽な制度になっている。
 なぜかというと、アパート・マンションを新築した場合、建築費の5%を仮払い消費税として支払うにもかかわらず、入居者からの家賃は非課税になっているために消費税を受け取ることができないからだ。
 たとえ建築費が大きく、仮払い消費税が高額になったとしても家賃収入が非課税売上とみなされるため、還付を受けることもできない。
 これらのことはアパ・マン経営者が最終消費者でないにもかかわらず消費税を払いっぱなしになっていることを意味する。
 だが、冒頭にも述べたように、上記のような消費税納税額の計算方式を利用し、一定の条件を満たすことで、消費税の全額還付を受けることも可能になるテクニックがある。
 今回の内容をふまえ、次回アパート・マンションの新築にかかる消費税が還付される条件について解説していこう。

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