部屋を借りると、たいていは入居前に敷金を払います。これは、いわば保証金のような意味合いのもので、一時的に預けるお金です。
もちろん、入居中に滞納したり、ものを壊してしまった時には、その敷金から充当されます。ということは、何事もなければ敷金は全額もどってくるはず…と思いますよね?
でも、実際には敷金がそっくりそのまま全額戻ってくることはほとんどありません。それは、「原状回復義務」といって、入居者が部屋を借りた時の状態に戻す義務があるからなのです(詳しい記事は、 敷金って戻ってくる?こない? をご覧ください)。
では、具体的に入居者が借りた時の状態に戻すために負担しなければならないのは、どんなものなのでしょうか?
旧建設省住宅局は、原状回復に関するトラブルを解消するために、どの部分を入居者が負担しなければならないか、というガイドライン(原状回復をめぐるトラブルとガイドライン)を作成しました(98年3月)。それを簡単にまとめると、
◆ 普通の暮らしをしていたとは言えない結果生じた破損・損耗分は入居者の負担で直す
◆ 普通の暮らしをしていて、自然に損耗してしまった分は、入居者負担で直す必要はない
ということ。
つまり、入居者が払っている賃料に、自然損耗や通常損耗分の修繕は含まれているので、敷金から払う必要はないということです。
このガイドラインによる、借り主・貸し主が負担する破損・損耗分を一部ご紹介しましょう。