ネットカフェは賃貸より安い?
昼間は日雇いで働き、夜になるとネットカフェで過ごす――という生活は、家賃を払うより安いのでしょうか?お店にもよりますが、インターネットカフェは1時間数百円程度。長時間になると、パック料金が設定されていることが多く、1晩2000円前後。カプセルホテルが2000~4000円程度ですから、料金的にはカプセルホテルより少し安いくらいです。もし、ネットカフェに毎日泊まったとしたら、1ヵ月約6万円になるので、家賃とそれほど変わらないように思えます。
でも、賃貸を借りるとなると、礼金や敷金、仲介手数料、また光熱費、飲食代などの生活費が別途かかってきます。その点、ネットカフェならインターネットが自由に使えて、飲み物も飲める。しかも、お店によってはシャワーなども完備されていたり、寝やすいようにリクライニングシートなども備え付けている店舗もあるので、トータルしてみると安いようです。
前出の調査では、「賃貸を借りても入居した後、家賃を払い続けられるか不安」(38%)、「敷金など入居費用の貯蓄が難しい」(66%)と思っているよう。こうした考えからも、定職を持たない人にとっては、賃貸を借りるよりネットカフェで過ごす道を選んでいるのだと考えられます。
いちばんの違いは連帯保証人
ネットカフェでもその営業形態や料金はさまざま。ただ、ネットカフェを住まいにするのはどうかと思うが・・・ |
さらに、賃貸を借りるには「連帯保証人」が必要になります。定住所を持たない人は、なんらかの事情があって定職に就けず、かといって戻る家もない、という状況なので、自分の安定した収入を示すこともできません。その時点で、賃貸契約の入居審査にひっかかってしまいますが、さらに頼める連帯保証人がいないこともネックになっています(連帯保証人になってくれるような人がいるなら、住むところの心配はしてもらえるだろうから)。
もちろん、好んでそうなっているわけではないと思います。でも、「それまでの仕事を失業した」→「収入がなくなった(または減った)」→「家賃を払い続けられない」→「賃貸住宅を出なければならない」→「次の住居を確保できない」→「ネットカフェに泊まる」→「安定した住居を確保できないから、履歴書に住所が書けず、正社員になれない」・・・という悪循環に一度陥ってしまうと、そこから抜け出すのは容易なことではありません。
では、賃貸に住んでいたけれど、職を失い家賃が払えなくなったとき、どのような対処がされるのでしょうか?次回、お届けします。