高度な(悪質な)おとり広告も
消費者の無知や広告規約の抜け穴を狙った悪質なケースもあります。例えば以下のようなケースです。
◎自社で所有またはサブリースした物件を用意する
→その物件を定期借家として、普通借家相場の3割引き賃料で広告する
→一般ユーザーは定期借家の知識がない人が多いので、「安い!」と飛びつく
→反響者を来店させて、「定期借家なので、期限がきたら退去しないとダメ。もしくは再契約する場合に高額な再契約料がかかるので、違う物件にしたほうがいい。」と他物件を紹介
→他物件を紹介し成約させる
このケースは実態としてはおとり広告といっていいと私は思うのですが、広告規約上は問題がなく取り締まりが難しいのです。
「安い」と飛びつくのではなく、どうして安いのかを電話なりメールで問い合わせ時に質問する賢さもユーザーは身につける必要があります。
広告の見方を知るのはユーザーの努力
業界におとり広告を禁止してもらうだけではなく、借主となる一般消費者も広告の見方を知っておくと、ただ情報を受け入れるだけではなくなります。賃貸広告の見方をぜひ学んでください。
例えば、徒歩時間。「80m=1分」として計算することはよく知られています。でも、この時間は上り坂も歩道橋も信号待ち時間も考慮されていません。駅から徒歩○分という場合には、駅の一番近いところまでの時間ですから、改札口が踏切を渡った反対側であってもお構いなし。このことを知っていると、「駅から徒歩5分」という情報の捉え方も少し変わるかもしれません。
また先ほどの例でも定期借家についての知識があれば、だまされることもなくなります。
おとり広告があったら
おとり広告を発見した場合には、掲載元へ確認を。インターネットのポータルサイトならそれぞれ「情報審査室」があるので、そこへ問い合わせて見ましょう。情報審査室がない場合、または個別会社ごとのホームページなら、その会社へ連絡をします。不動産会社へ直接問い合わせるのはちょっと・・・という場合には、不動産公正取引協議会か、東京都なら東京都都市整備部・住宅推進課の賃貸ホットラインなどに相談してみるといいですよ。事実関係を調査して該当会社に注意したり、場合によっては不動産免許停止などの処分が下されることになります。