腎臓病の悪化させないために
魚などの良質のタンパク質を過不足なく適量とることが大切です。画像提供/Eyes Pic |
腎機能が低下している場合の食事のポイントを簡単にまとめますが、病態により異なる場合もありますので、管理栄養士のきちんとした指導の素で行いましょう。
・低タンパク質
炭水化物や脂質は、体内で代謝されると二酸化炭素と水に分解されますが、タンパク質は血液中に窒素化合物などの老廃物が残るので、とり過ぎると腎臓に負担をかけます。
腎臓病の食事療法では、たんぱく質を含む食品と、たんぱく質を含まずにエネルギー源となる食品に大きく分けた食品交換表をもとにメニューを考えます。また、治療用の特別用途食品もあります。
・塩分を控えめに
腎臓の機能が低下すると、塩分や水が尿として排泄できなくなり、むくみの原因となります。また、高血圧も塩分のとりすぎによって起こります。麺類や加工品等は、想像以上に塩分が含まれていることがありますので、気をつけましょう。
・エネルギーは充分に補給
エネルギーが不足すると、筋肉などに蓄えられているタンパク質がエネルギーとして利用され、血液中の老廃物が増えて、腎臓に負担をかけてしまいます。糖質と脂質で、エネルギーを補給します。と言っても、とりすぎて肥満になってはいけませんから、適正な体重を管理することが必要です。
・カリウムをとりすぎない
腎機能が低下して血液中にカリウムが増えるとになり、心臓に負担をかけます。症状により、カリウムの含有量が多い野菜や果物などを制限することもあります。(カリウム補給が必要な場合もある)
・3度の食事はきっちりと
食事は朝、昼、晩、3回を規則正しくとりましょう。不規則になると、弱った腎臓に負担をかけます。腎機能の低下が認められた場合は、食後は30分ほど横になるなどして、体を休めるのもよいそうです。
腎臓病の種類や進行度によっては、食事療法は異なりますし、病態により水分の制限がある場合もありますから、医師や管理栄養士の指示をきちんと守りましょう。
他にも、疲労を回復するために十分休息し、ストレスをできるだけ避けるなどして、免疫力が落ちないように心がけることも大切です。運動不足や肥満、喫煙、飲酒も、慢性腎臓病にはかかわっていると見られています。
■参考
・公益財団法人日本腎臓財団
・慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版/日本腎臓学会
・日本慢性腎臓病対策協議会
・我が国における慢性腎臓病(CKD)対策の取り組み(厚生労働省)