療養食・食事療法/腎臓病・痛風の療養食・食事療法・透析食

気づかぬうちに進んでいるかも? 「慢性腎臓病」(2ページ目)

国民病といわれる「慢性腎臓病」。腎臓病対策は、世界規模での課題とされ、日本でも本格的な取組みが行われています。今回は、慢性腎臓病とは何か、また腎臓の働きや腎臓病と食事との関わりについてご紹介します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

1ページでは、「慢性腎臓病」についてご紹介しましたが、このページでは、腎臓の働きについてご紹介します。

腎臓の働き


腎臓の働きには、
● 血液中の老廃物をろ過し尿として排せつする
● 血液中の水分や塩分のバランスを一定に保つ
● 血圧をコントロールする
● 送られてきた血液の中から体液に必要なものを再吸収する
● 赤血球をつくるホルモン、骨を強くするホルモンをつくる
●不要なホルモンを不活化する
などがあります。

腎臓の機能が低下すると、老廃物や余分な水分を体外へ排出できなくなり、また余分な塩分が排出できないため水も溜め込んで体がむくんだり高血圧になることもあります。また貧血や、低カルシウム血症による筋肉痛やしびれ感などが起こります。他にも、再吸収されるはずのタンパク質が尿と一緒に出てしまい、これが続くと栄養障害が起こりますし、赤血球がもれ出して血尿になったりします。

腎臓の疾患で代表的なものは、
・腎炎・・・他の病気によって引き起こさされる腎炎ではない、腎臓の炎症。炎症がおきる場所によって、糸球体腎炎、間質性腎炎、腎盂腎炎などがあり、急性と慢性があります。腎炎は、早めに病院に行き適切に治療できれば、ほとんど完治しますが、場合によっては慢性に移行することがあります。急性腎炎から1年以上たんぱく尿が続く時は慢性腎炎と診断されます。むくみや、腰や背中が重い感じや痛みがある、全身がだるい、顔色が悪いといいった症状がでます。

・ ネフローゼ症候群・・・病名ではなく、尿タンパクが1日3.5g以上出ていて、血液中のアルブミンというタンパク質が3.0g/dl以下(正常4.0g/dl以上)に減り、むくみなどが現れるとネフロ-ゼ症候群と呼ばれます。

原因は、慢性腎炎が多いのですが、他にも糖尿病性腎症、膠原病などでも起こります。原因が異なるだけに、治療法も異なります。

さらに腎機能が低下すると腎不全(機能が基に戻らなくなる)となり、尿毒症(末期腎不全ともいう)という状態になり、人工的に腎臓の機能を行う透析が必要となります。

次のページでは、腎臓病の人が食事で気をつけなければならないポイントをご紹介します。・・・>>
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