介護療養型老人保健施設とは、療養病床と老健の中間ぐらいの位置づけの施設
介護療養型老人保健施設は、入院するほど症状は重くないものの、一定の医療措置が必要な高齢者が入所する施設です
介護療養型老人保健施設は「新型老健」とも呼ばれ、介護保険の施設サービスの1つとして定められています。
介護療養型老人保健施設は、要介護度1~5と認定されている人が対象。入院するほど症状は重くないが、鼻などから流動食を投与する経管栄養など、一定の医療措置が必要な高齢者が入所する施設です。位置づけとしては介護療養型医療施設と介護老人保健施設の中間ぐらいとなります。
急性期の治療が終わり、慢性的な症状のための療養を行うための施設で、医療・看護に重点を置いたサービスが受けられます。
この介護療養型老人保健施設は、厚生労働省が従来の介護療養型医療施設(介護療養病床)を削減・廃止する方針を打ち出したのに伴い、その転換先として2008年5月から認めたものですが、事業者への介護保険給付が約2割も引き下げられることなどから、転換に慎重な姿勢を見せている事業者が大半です。
【2024年4月追記】
介護療養型医療施設(介護療養病床)が2024年3月31日に廃止されたのに伴い、介護療養型老人保健施設も基本的に介護医療院に移行されています。
>介護医療院
介護療養型老人保健施設では、充実した医療的ケアを受けることができる
療養病床に比べると、医師などの配置数が少ないものの、かなり充実した医療面でのサービスを受けることができます。
痰の吸引や水分や栄養をチューブで胃に入れる胃ろう、じょくそう(床ずれ)、経管栄養、尿管カテーテル、酸素吸入といった医療措置が必要な人でも問題なく入居が可能で、ターミナルケアや看取りにも対応しています。
介護療養型老人保健施設では、相部屋が主流
介護療養型老人保健施設では、4人程度の相部屋が主流です。プライバシーが保てる個室(ユニットケア)を増やそうという考えはあるものの、現状はそもそも介護療養型老人保健施設に転換している施設の数自体が少なく、まだまだユニットケア化まで手が回っていないのが実情。
相部屋の場合、1カ月あたりの費用は8~12万円程度で、従来型の介護老人保健施設より少し高めとなっています。
介護療養型老人保健施設の対象者・費用・申込先
■対象者
要介護1以上だが、実際には重度の人優先で、胃ろうや酸素吸入などの医療措置が必要な人などが主な対象となる。
■必要な費用
介護保険施設サービス費の1割、居住費、食費、その他雑費。
■情報入手&申込先
どんな施設があるかについては、地域包括支援センターまたは市区町村の福祉担当窓口へ。申し込みは直接施設に行うか、市区町村の福祉担当窓口へ。