かつて「ぜいたく病」と呼ばれた痛風は、今や国民病の一つとなり、日本痛風・核酸代謝学会によると現在の痛風患者数は30~60万人と推定、予備軍は500万人とも言われています。夏は汗をかくために尿酸値があがり、痛風発作が出やすい時期と言われています。今回は、痛風の解説と、その予防のための食生活についてご紹介します。

痛風発作は夏に怒りやすい?

ビール
以前は痛風の目の敵にされていたビールですが、最近は見方がかわってきています。
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痛風は、「尿酸」が血液中に過剰に増えることでおこる病気です。細胞内の遺伝子のDNAやRNAなどの核酸主成分であり、エネルギー伝達物質として働くプリン体という物質が分解されると、「尿酸」という老廃物がでます。

この尿酸は、腎臓から尿とともに排泄されますが、過剰に増えると血液中に蓄積されます。尿酸値が770mg/dl以上の場合は、高尿酸血症と診断されます。

尿酸が体内に増えるには、
1.尿酸が排泄されにくい(排泄低下型)、
2.尿酸がつくり出されやすい(産生亢進型)、
3.両方を併せ持つ(混合型)
の3つのタイプがあると言われています。

高尿酸血症がさらに悪化すると、尿酸は溶けにくい物質なので尿酸塩という結晶になって関節や腎臓にたまります。痛風は、主に足の親指の付け根などの関節に尿酸塩が沈着して急性関節炎を起こした状態です。腎臓の尿細管にたまると、腎臓の働きが低下し、腎不全になることもあり、これは「痛風腎」とばれます。高尿酸血症の約10%の人に急性の関節炎発作が起きます。「風がふいても痛い」とよく言われています。

暑い夏は、汗をかいて脱水状態になると血液が濃縮され尿酸値が高くなります。このため夏は痛風の発作が起きやすいと言われています。

糖尿病や脂質異常症との合併症が怖い

日本では1960年以降、特に1980年代~1990年代は、食生活が豊かになり欧米化することでその基礎疾患である高尿酸血症とともに痛風患者が著しく増加しました。高尿酸血症は、なりやすい遺伝的体質や、性別、食生活やストレスなどによって引き起こされます。

女性ホルモンの作用により尿酸がたまりにくい女性はかかりにくく(女性患者は閉経後の年齢が多い)、痛風患者の約90%が男性で、特に40~50歳代に多く見られます。しかし、近年は高カロリーで塩分や糖分をとりすぎる偏った食事、暴飲暴食をしがちな肥満の人には、30歳くらいの若年層でも発症するケースが増えているそうです。

高尿酸血症をそのままにしておくと、痛風はもちろん、脂質異常症、糖尿病、高血圧などを合併し、こうした合併症が心疾患や脳血管障害のリスクを高くすると言われていますので、油断できません。カラダの中の仕組みや、様々な病気が複雑に影響し合っていて、まだまだ解明されていないこともあるようです。