現代人に多い頭痛のトラブル。漢方ではカラダを温める「陽」の気が足りなかったり、余計な邪気(エネルギー)が上部にたまるケースが多いようです。ストレス、胃腸虚弱、ドロドロ血によるものなど、タイプ別でもご紹介します!

漢方で解く、頭痛のメカニズム

鎮痛剤に頼らない努力も必要。漢方とあわせて針治療もオススメ!

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漢方では、頭痛が起こるメカニズムを大きく二つに分けて考えます。ひとつは、身体にとって異物となるものが気や血液の流れを阻害して、痛みを生じるケースです。これを「不通即痛」(ふつうそくつう)といい、原因としてドロドロ血、水分代謝の低下、環境の影響などが挙げられます。

もうひとつはカラダ全体の血の量や栄養が足りず、脳に必要な量を送り届けることができないために頭痛が起こるケース。これを「不栄則通」(ふえいそくつう)と呼んで、区別して考えるのです。

頭はカラダの最上部にあり、全身をめぐる気や血のルートである多くの経絡が集まるところ。なので、カラダを活発に動かす陽の力が足りなかったり、逆に気血が逆流して詰まってしまうと痛みを生じるわけなのです。

漢方で解く、頭痛の種類

頭痛は大きく分けて2つに分けられます。
  • 急性の頭痛……風邪や湿気などの外の環境の影響を受けて発症する頭痛
  • 慢性の頭痛……内臓に問題があり、それが頭痛として現れる頭痛
急性の頭痛は季節性があり、風邪などと一緒に起こる場合が多いです。今回は内側に問題がある慢性の頭痛について、詳しく解説しましょう。

漢方で解く、代表的な4つの頭痛タイプとは?

■ストレスによる頭痛
ストレスによって自律神経のバランスが乱れ、その結果として気血のめぐりが悪くなり頭痛を起こします。あれこれ悩みやすい方に多く、痛みの部位が色々変わりやすかったり、ストレスによって頭痛が悪化するのも特徴のひとつ。

代表薬としては、竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)や釣藤散(ちょうとうさん)。のぼせや目の充血などをとり、上部にたまった熱を下げてくれる働きがあります。

■胃腸虚弱による頭痛

消化吸収力が落ちていると、食べたものを栄養に変えることができず、血液が作れなかったり、水分代謝が悪くなります。慢性的な頭痛によく見られるケースで、梅雨時や疲労時に症状が悪化しやすいのが特徴です。

胃腸虚弱で、日ごろから疲れやすいタイプは補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、貧血やめまいをともなうなど、血液不足からくるものは人参養栄湯(にんじんようえいとう)や十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)がオススメです。

消化機能の低下から水分代謝に異常がでて、頭重感や吐き気があるような場合は半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)も使用できます。

■ドロドロ血による頭痛
冷えやストレスなどによって血のめぐりが悪くなるタイプ。慢性病や重い病気に伴って現れる頭痛で、刺すような痛みが特徴です。なかなか治りにくく、夕方に症状が悪化しやすいことも。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や冠元顆粒(かんげんかりゅう)は、このような血行不良による頭痛の代表薬。

■腎機能の低下による頭痛
漢方の考えでは、脳は腎の働きに含まれます。腎は“先天の精”といって精力を蓄える臓器であり、この精力が脳を形成していくと考えられているのです。

腎機能が低下し、精力が不足すると、脳の働きも悪くなり、頭痛を引き起こします。このタイプの頭痛はあまり痛みは強くありませんが、慢性的な頭痛となりやすいのが特徴。

八味地黄丸(はちみじおうがん)や海馬補腎丸(かいまほじんがん)は、腎の機能を高め、足腰のだるさや耳鳴り、排尿の異常などもコントロールしてくれます。


さきほど頭は多くの経絡が集まるところ……とお話しましたが、じつは頭痛の現れる場所によっても生薬を選ぶことができます。詳しくは次回をお楽しみに! なお、漢方を試したい場合は漢方の専門家にご相談くださいね。
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