普通のかぜとは違い、急に高熱が出たり、合併症が心配なこともあるインフルエンザ。寒くなってくるこの季節、インフルエンザの予防接種をされる方も多いと思いますが、漢方でも秘策があるのをご存知でしょうか……? ということで、今回はインフルエンザに役立つ、漢方のあれこれをご紹介します!

インフルエンザの予防に……「板藍根」

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写真は板藍根の花。生薬では根の部分を使用します。写真提供:(有)百華茶苑
2003年に北京や上海をはじめ、アジア一帯で猛威を振るったSARS (重症急性呼吸器症候群)ですが、実はある漢方に注目が集まり、中国では品薄となったものがあります。それが「板藍根」(バンランコン)という、アブラナ科の植物の根なのです。

「板藍根」は清熱解毒作用のある漢方で、中国でもよくかぜ薬などにも使用されてきました。とくに風熱タイプの風邪といって、

□ 高熱がある(悪寒より発熱がひどい)
□ のどが痛い、赤く腫れる
□ 頭が痛い、重い
□ 口が渇く
□ 目が充血し、顔が赤い
□ 冷たいものを飲みたがる

このような症状に合う生薬です。解熱するだけでなく、抗ウイルス作用や、抗菌作用があり、さまざまなウイルス感染症に働きかけるので、実はインフルエンザや日本脳炎の予防や治療などにも使用されるものでもあります。

中国の小学校などではこの板藍根を煎じた液をうがい薬にしたり、のどにスプレーしたりもします。日本ではまだ知名度が少ないのが残念ですが、最近では板藍根のお茶や、のど飴を販売しているところもあるようです。今後、幅広い場所で気軽に買えるようになると嬉しいですね。

それでは、インフルエンザに役立つ市販の漢方薬をご紹介しましょう。

インフルエンザの初期に……「銀ぎょう散」

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写真は金銀花。和名のスイカズラの方が有名でしょうか。中国ではよくお茶にします。写真提供:(有)百華茶苑
そもそも漢方は病名によってお薬を出すわけでなく、そのひとの証(体質やそのときの体調)によって治療をする医学ですが、インフルエンザの症状は、先ほどもご紹介した風熱タイプのかぜ(感冒)に分けることが出来ます。

□ 高熱がある(悪寒より発熱がひどい)
□ のどが痛い、赤く腫れる
□ 頭が痛い、重い
□ 口が渇く
□ 目が充血し、顔が赤い
□ 冷たいものを飲みたがる
(1ページと同じチェック内容)

このような症状、とくにインフルエンザの初期にいい代表的な漢方としては「銀ぎょう散」があります。簡単に言うと、ゾクゾクッと寒気がくるタイプのかぜではなく、熱感が強いタイプといえるでしょうか。

銀ぎょう散の主成分である金銀花(きんぎんか)や連ぎょうが解熱・解毒をして、桔梗、薄荷、牛蒡子は、肺の機能を整え、痰やノドの痛みを和らげます。

なお、忘れてならないのが、熱で消耗してしまったカラダの水分を補ってくれる働きの生薬(竹葉や芦根)も入っていることです。悪い邪気を排除するだけでなく、病気に負けない抵抗力をつけるという漢方の真髄=「扶正去邪」(ふせいきょじゃ)の精神が、ここにも継承されているのです。

もちろん、インフルエンザの予防の一番は、クスリに頼る前に手洗い、うがい、そして日々の体力強化です。また、 「銀ぎょう散」は保険適用外で、漢方薬局などは手に入りますが、購入したい場合は漢方の専門家にご相談くださいね。

さあ冬に向って、気を引き締めて、元気に参りましょう!
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