今回はいつ飲めばいいの? 煎じ薬ってなに? というような素朴から知って得する応用編まで、漢方薬の飲み方のコツをQ&A方式でご紹介します。
いまさら聞けない漢方薬のギモン
漢方薬の調剤室。炒めてから出す生薬もあり、小ギレイなラーメン屋のよう? |
Q.1 漢方薬はいつ飲めばいい?
A.1 食事と食事の間(=食間)、つまり食後2時間を過ぎたあたりがおススメです。複数の生薬が合わさった漢方薬は、クスリが吸収されやすい空腹時に飲むことで、効果がよく現われるからです。
ただし、飲み忘れては意味がないので、ペースがつかめないのなら食後でも構いません。胃腸の弱い方も負担を軽くするために、食後にとアドバイスすることも。
Q.2 煎じ薬、エキス剤っていろいろ種類があるけれど……。
A.2 煎じ薬は生薬をそのまま煎じたもので、成分も濃いのが特長です。香りもあり、効果が一番高いともいえます。エキス剤は煎じ薬を濃縮させて、乾燥して粉や錠剤にしたもの。手軽にどこでも飲め、携帯に便利ですね。
煎じる手間がかかるが効き目のいい煎じ薬、煎じ薬に比べれば効果は劣るが、いつも一定の品質が望めるのがエキス剤ともいえます。コーヒーでいうなら、ドリップ式が煎じ薬で、インスタントコーヒーがエキス剤でしょうか。なお、最近では煎じ薬を一回分づつ袋詰めにした、レトルトタイプを用意している施設もあるようです。
Q.3 水で飲んじゃダメ?
A.3 飲んでもOKです。白湯に溶かして飲むとより煎じ薬に近い状態となり、クスリの吸収が早くなるのでお勧めする場合もありますが。
ちなみに、嘔吐や吐血がある時など、冷やして飲むほうが効果的な場合もあります。この場合は、処方してくれるドクターや漢方に詳しい薬剤師さんの指示に従って飲むようにしましょう。
もっと深く知りたい! 漢方薬のギモン
最近は自動で漢方薬を煎じてくれる機械も。便利でガイドも利用しています |
Q.4 西洋薬といっしょに飲んでも平気?
A.4 西洋薬の副作用を押さえるために、漢方を出す場合や、高血圧治療による漢方薬の併用は規制があったりと、ケースバイケースです。
現場では併用して相乗効果がある場合が多いのですが、必ずドクターや漢方の専門家に説明を受けましょう。
Q.5 漢方薬は誰にでも合うの?
A.5 漢方はその人に合わせて生薬を選んだり、組み合わせる、いわばオーダメイド的な処方をするので、基本的に「漢方がダメな体質」はないはずです。
しかし、特定の成分にアレルギー反応を起す、生薬アレルギーの方も中にはいらっしゃるようです。服用をストップすれば症状は治まりますが、心配な方は、購入する際に相談をされるといいでしょう。
Q.6 苦くて飲めない……。どうしたらいい?
A.6 煎じ薬が苦くてという場合、同じ処方でも揮発成分が減っているエキス剤にしてもらうという手があります。子どもにはゼリーやはちみつに混ぜて、漢方薬を飲ませているところもあるようですね。
なお、自分にあった漢方であれば、他人がクサイと感じてもいい匂いと思うことや、慣れれば大丈夫ということもあります。また、製薬メーカーにより生薬の構成割合が異なることもあるので、メーカーを変えて飲んだらOKだったというケースも。
漢方薬の飲み方ルールがわかれば、漢方は難しくない&怖くない&苦くないですよ! 是非この機会に、漢方デビューしてみてはいかがでしょうか。