花粉症/花粉症の検査(アレルギー検査)

花粉症の検査法…血液検査・プリックテスト・スクラッチテスト

【アレルギー専門医が解説】花粉症かどうかを調べるためには、病院で検査を受ける必要があります。花粉症の検査法には、血液検査、スクラッチテストやプリックテストなどの皮膚検査、目と鼻の検査があります。検査内容についてわかりやすく解説します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

花粉症か調べるためには病院での検査が必要

花粉症の血液検査

くしゃみや鼻水などの症状だけで花粉症と判断することはできません。花粉症か調べる検査を受ける必要があります

花粉症かどうかを調べるためには、病院でアレルギー検査を受ける必要があります。アレルギー検査である血液検査と皮膚検査に加え、花粉症特有の検査も必要です。以下で解説します。
 

花粉症疑いで受ける血液検査・特定できる花粉の種類

血液にて花粉に対するIgE抗体を検査します
アトピー性皮膚炎の検査などでも行うアレルギー検査ですが、まず、血液検査では、血液内の好酸球、IgE抗体、花粉に反応するIgE抗体(特異的IgE抗体)を調べます。

血液検査でわかる花粉
現在、血液検査でわかる花粉は以下の通りです。かなり細かい特定が可能です。

■血液検査で特定できる花粉症の原因となる樹木
スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ、マツ、カエデ、ブナ、ビャクシン、コナラ、ニレ、オリーブ、クルミ、ヤナギ、アカシア、クワ

■血液検査で特定できる花粉症の原因となる雑草
イネ科:カモガヤ、オオアサガエリ、ハルガヤ、ギョウギシバ、ナガハグサ、ヒロハウシケグサ、ホソムギ、アシ、コヌカグサ、セイバンモロコシ、コムギ、オオスズメテッポウ、スズメノヒエ

ブタクサ、ヨモギ、ブタクサモドキ、オオブタクサ、ニガヨモギ、フランスギク、タンポポ、ヘラオオバコ、シロザ、アキノキリンソウ、ヘメスイバ、イラクサ、カナムグラ
です。
 

花粉症疑いで受ける皮膚検査(プリックテストなど)・特定できる花粉の種類

皮膚検査は、花粉の成分で皮膚を少しひっかくスクラッチテスト、プリックテスト、少し花粉の成分を皮下に入れる皮内テストと呼ばれるものを行います。皮内テストはプリックテストよりアナフィラキシーの危険が高くなることがあります。皮膚検査で使用される原因物質については販売が中止になっていることもあります。

■プリックテストで特定可能な花粉
アカマツ、アキノキリン草、カナムグラ、カモガヤ、キク、クロマツ、スギ、チモシー
、ヒメガマ、ブタクサ、ホウレン草、ヨモギ
です。
 

花粉症疑いの場合の目と検査・鼻の検査

■目の検査
眼脂や結膜をブラシ(ブラッシュサイトロジーという専用のブラシ)を使って取り、結膜や眼脂の中の好酸球というアレルギーを起こす白血球がないか顕微鏡で観察します。

また、目に花粉の成分を点眼して、結膜炎を確認する点眼誘発試験があります。ただ、症状を起こす検査ですので、陽性の場合は少しツラい検査になります。(参考「花粉症の目の症状と対策法」)

■鼻の検査
検査としては、誘発テストとして鼻にアレルギーを起こす物(小さなディスク)を入れて鼻の粘膜を観察する方法があります。後者は、市販されているのはダニとブタクサしかありません(参考「アトピーと花粉症」)

アレルギーの有無については、鼻水の中の好酸球を検査すつ鼻汁好酸球検査があります。好酸球が見られるとアレルギー性鼻炎と診断される可能性が高くなります。

これらの検査は、自分に症状が出ている時期に受けることが大切です。スギなら冬から春、ヨモギは秋の検査となります。飛散時期以外で検査すると、特異的IgEが低い場合は、検出できないこともありますので、症状のあるときに、その季節に飛散する花粉を検査するのが望ましいです。
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