アトピーの症状がある場合、
- 眼が見えにくくなる
- 赤い湿疹が広がっていく
- 水疱ができた
- 水を持った”いぼ”ができた
- 髪が薄くなってきた
といった症状が出た場合は注意が必要です。
特に、「いつもの痒みだな」「ただの水泡か…」と思い、そのまま放置すると、症状を悪化させ、治療に時間がかかるようになります。ちょっとでもおかしいと思った時は医師に合併症の有無を診断してもらいましょう。
主な合併症を、以下で紹介します。
■ 白内障
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目をこするのは厳禁 |
- 目がかすむ
- 見るものがぼやける
- まぶしく感じる
- 物が二重、三重に見える。
- 物がみえにくい
上記のような症状があれば注意が必要。白内障の可能性があります。白内障は、眼のレンズである水晶体が白くにごる病気で、物が見えないといった症状が出て視力が低下します。カメラでいえば、レンズが白く曇って何も写らなくなる状態です。眼をこすらないようにし、眼科で白内障の疑いがあるかないか診断してもらいましょう。治療方法は、濁った水晶体を人工水晶体に手術で交換します。日帰り手術が可能です。
■ 網膜はく離
- 見えない視野がある
- 急に視力がなくなる
- 蚊が飛んでいるように見える
- 物がみえにくい
上記のような症状があれば、白内障と同様、注意が必要です。網膜はく離の可能性があります。網膜がはがれ、放っておくと失明します。カメラでいえば、フィルムが凸凹になって何も写らなくなる状態です。こちらも白内障と同様、できるだけ眼をこすったりせず、眼科で必ず網膜はく離の可能性がないか診断してもらいましょう。網膜はく離は手術が必要です。
■ ヘルペスウイルス感染症
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ヘルペスウイルス感染症:水泡からカサブタになります。かゆくて痛いといった症状が特徴 |
体や口の周りに赤みを伴う水泡ができます。子供がよくかかる「水疱瘡(みずぼうそう)」も、ヘルペスウイルス感染症です。アトピーの人は、水疱瘡にかかると悪化の度合いが通常の人より激しくなります。大人では、「帯状疱疹」(たいじょうほうしん:肋骨に沿って水疱ができます)を発症します。痛くて、かゆいという症状が特徴です。このようなヘルペスウイルス感染症には、抗ウイルス薬(アシクロビル)がありますので、早期に医師に診てもらい、早期治療で完治を目指しましょう。
■ 伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)
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伝染性膿痂疹:時に水泡になることがあるので、ヘルペスと区別がつかないことがあります |
症状としては体に赤いブツブツができます。その湿疹の部分を掻いて、その手できれいな皮膚を掻くと伝染するので、「とびひ」とも呼ばれます。皮膚を清潔にして、手をきちんと洗うことで伝染することを減らすことができます。伝染性膿痂疹の原因の多くはブドウ球菌が関与しています。スキンケアが重要で、医療機関で抗生物質の内服・外用薬が必要になります。
■ 伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)
特徴として、体に少し水を持った白い「いぼ」のようなものできます。その形から「水いぼ」と呼び、ポックスウイルスというウイルスが原因です。残念ながら、このウイルスには特効薬はありません。水いぼをつぶすか、自然に治癒するまで様子をみます。自然に治るのは、数ヶ月かかります。
■ 円形脱毛症(えんけいだつもうしょう)
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髪の毛が抜けますのでつらい症状です(慈恵医大皮膚科提供) |
円形脱毛症とは、名前の通り、突然髪の毛が円形状に抜けてしまう病気です。なかなか治りにくく、再発を起こす傾向もあります。原因は様々ですが、「毛に対する免疫」の異常で起こってくるという説が有力です。免疫が関与していますので、アレルギーとの関連が指摘されています。他に、ストレスが原因になるとも言われいます。
(参考「
アトピーに円形脱毛症!…原因?」)
アトピー性皮膚炎を治療していく上で、合併症を防ぐことは非常に大切です。また、アトピー性皮膚炎の治療を怠ると、合併症を引き起こしやすくなるので、注意が必要です。
そうならないためにも医師と相談しながら、地道に治療を続け、アトピーをよくしていきましょう。(参考 「
アトピーの合併症」)
次にアトピー性皮膚炎と似た症状の見分け方をご紹介します。
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