やっと世界標準の治療が受けられます
パーキンソン病の治療に使われてきました
しかし、1月20日から、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社の「ビ・シフロール錠(一般名:プラミペキソール)」が、「中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)」の治療に使えるようになりました。
プラミペキソールはドパミン作動薬の一種で、ドパミンの働きが悪くなるパーキンソン病の治療薬として使われてきました。実は、むずむず脚症候群の患者さんでもドパミンの異常があることが多く、欧米ではプラミペキソールがむずむず脚症候群の第一選択薬として、広く用いられています。
日本国内で行われた臨床試験では、投与開始1週間後に国際的な重症度スケールのスコアを有意に改善し、速やかな症状改善効果を示しました。また、治療奏効率も80%あり、確実な臨床効果が期待できることがわかりました。
少しの薬で効果があります
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パーキンソン病の治療では、1日の標準的な投与量が 1.5~4.5mg です。それに比べると、むずむず脚症候群で使われる場合は、6分の1~18分の1という少ない量で効果があります。ちなみに薬価は、0.125mg のビ・シフロール錠が1錠 54.5円、0.5mg 錠が187.9円です。
残念なことに、副作用のない薬はありません。プラミペキソールで多くみられる副作用は、吐き気や胃の不快感など消化器系のものです。また、前兆のない突発的な睡眠や傾眠がみられることがありますので、服用中には自動車の運転や機械の操作、高所作業など危険を伴う作業はしないように、注意が必要です。
また、妊婦および妊娠している可能性のある女性と、この薬に対してアレルギーが出たことのある人は、内服してはいけません。
むずむず脚症候群の日本における有病率は2~5%で、そのうち日常生活に支障をきたしている重症患者は200万人と推定されています。今回、日本で初めて治療薬としてプラミペキソールが使えるようになったことは、多くの患者さんにとって大変うれしいニュースといえます。
【関連サイト】
むずむず脚症候群
日本ベーリンガーインゲルハイム
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